今週の米ドル/円予想 10連休前で動きづらい(4/22週)

著者:山口哲也
投稿:2019/04/22 15:21

【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】

今週の主要経済指標
先週の米ドル/円は小幅安。112.015で寄り付いた米ドル/円は、総じて112円を挟んだ展開となりました。なお、週間の上下の幅は42.5銭で、週間で50銭も動かなかったのは2012年1月9日週(39銭)以来7年ぶりとなります。
※ただし、2012年当時の為替レートは76円から77円程度でしたので、値幅ではなく変動率(先週は0.39%)では、1985年以来の低ボラティリティとなります。
このような低ボラティリティとなった主な要因は、為替条項の盛り込みが懸念されていた日米通商協議も特に為替についての言及はなかったことに加え、欧米市場がイースター休暇で薄商いだったことも挙げられると考えています。

今週の主要経済指標は図のとおりです。ここ最近の米経済指標がどちらかと言えば市場予想より強めとなっていることが多かったことから、今週末に発表される米第1QGDP(速報値)に注目していますが、今週よりも来週の方が数で主要な指標が多いので、米ドル/円にボラティリティが戻り始めるのは、週末から来週にかけてといったところを想定しています。

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
価格は各移動平均線を上回っており、それぞれの移動平均線は、13週移動平均線が上向き、26週移動平均線がほぼ横ばい、52週移動平均線が上向きで、上から順に26週、52週、13週となっており各移動平均線が収束しつつある状態です。
先週は以前からお伝えしていたチャートポイントで3月初めの112.150を3ポイント上回りましたが、「一文新値は鬼より怖い」とまでは行きませんが、上値を伸ばすことはできませんでした。
そのため、今後もやはりこの112.15付近がレジスタンスとして意識されそうで、以前からお伝えのとおり基本的にはこの水準をバックに短期で売り、終値ベースで112.15を上回るようであれば、途転買いといった戦略を考えています。

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
米ドル/円の日足チャートです。
先週米ドル/円は一時112.18まで上昇いたしましたが、終値ベースで112.15は超えられませんでした。
また、以前からお伝えのとおり2月半ば以降は概ね110円から112円のレンジ相場となっており、中長期的な観点では様子見、短期的には112.15をバックに戻り売りを考えています。

なお、売りの場合でも目先のサポートは111.85前後で、これを下回るようなら200日移動平均線や転換線の位置する111.50前後を考えています。

このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想