今週の米ドル/円予想 FOMC議事要旨に注目か?(2/18週)

著者:山口哲也
投稿:2019/02/18 12:24

【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】

今週の主要経済指標
先週の米ドル/円は上昇。週初109.840で寄り付いた米ドル/円は前週の流れを引き継いで底堅く推移。イギリスのEU離脱に対する不透明感はあるものの、米国においては米中通商協議の期限延長についての報道に加え、米政府機関の一部閉鎖について再閉鎖が回避される見通しとなったことが好感されリスクオンに傾いたことで、ドルが買われる展開となり、一時111円代まで上昇。高値は111.135。
その後、発表された米12月小売売上高が前月比‐1.2%(市場予想:同+0.1%)、コア売上高が同‐1.8%(市場予想:同+0.0%)と市場予想を下回り、9年ぶりの低水準となったことから反落。その後は110円台半ばでの推移となりました。終値は110.405。

今週の主な経済指標は図のとおりです。特に今週はFOMC議事録については、FEDメンバーのハト派姿勢が確認できると考えられます。なお、2月18日は米国市場がプレジデンツデーで休場、米中通商協議は引き続き今週はワシントンで協議が継続されます。トランプ大統領の非常事態宣言について民主党は合法性を問う法廷闘争も辞さないとしており、今後のゆくえに注目です。また、米商務省が自動車輸入に関する調査報告書を提出する予定となっており、一部報道では外国からの自動車輸入を米国の安全保障上のリスクと結論づける内容で、25%の関税賦課も辞さないと伝えられているため注目です。

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
先週の米ドル/円は52週移動平均線を上回り一時13週移動平均線を上回る局面もありました。
ストキャスティクスは50%を辛うじて超える水準ですが上向きとなっているため、目先は押し目買いを考えていきたいところです。
なお、52週移動平均線(110.373)を下回らないようであれば、52週移動平均線と26週移動平均線(111.556)の間での推移を考えており、これを下回る場合は売りを考えたいところです。

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
米ドル/円の日足チャートです。
日足チャートは、先週日々線が雲の上限を上回ったことで三役好転となっていますが、111.303に位置する200日移動平均線に日々線や遅行スパンが上値を抑えられる形になっています。短期的には一目転換線(110.343)や雲の上限(110.193)をサポートに押し目買いを考えたいところですが、200日移動平均線はレジスタンスとして今後も意識されやすく、小さな値幅で利食いを狙っていく局面と思われます。
逆にチャートポイントとして意識される110円を下回るようであれば、基準線や雲の下限まで下落する可能性があります。

このコメントはテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想