日経平均は、20,000円と21,000円のボックスを繰返すだろう、というのが、先月来の予想
日経平均は、これまで少し強すぎた反動が、先週現れた。それまで何度か21,000円近辺に迫りつつ、高値水準を維持していたが、金曜日、20,333円まで急落したのだ。今週、おそらくは、20,000円近辺の水準が防衛ラインとなるだろうが、それほど驚くことではなく、想定内の動きだ。日経平均は、20,000円と21,000円のボックスを繰返すだろう、というのが、先月来の予想だ。
もともと、現在最も市場を支配しやすい材料は米中通商摩擦であり、これを巡る駆け引きで、市場は大きく上下することが想定された。しかし、ここまでさほど大きな駆け引きは無く、そのため、市場は高値に留まっていたのだ。
しかしここへきて、米朝会談(2月27日、28日)が決まり、米中の交渉(知的財産権の取扱いが主題)の様子が情報として表に出てきた。先週は、知財を巡り、米中交渉は期限に間に合わないだろう、という見方が台頭し、株価は急落を演じた。
ようやく想定通りの上下動が始まった、という感じだ。ただし、高値に留まる時間が長すぎたことで、今度はより難しい展開となりそうだ。つまり、21,000円を突破するために、より大きなパワーが必要となり、上昇への壁が、21,000円の手前、20,700円程度に、もう一つ出来てしまったかもしれない。
重要なことは、トランプ氏にとっては来年の大統領選挙を控え、習近平氏にとっても3月に全人代を控えるタイミングで、その発言や交渉は、大きく変わりやすい、ということだ。市場はそのたびに上下へ振られるだろうが、少なくとも現段階で、米中の通商摩擦交渉が破綻する、と考える向きは少数派だ、ということだ。交渉が破綻すれば、米中共に自国経済に与える影響は大きく、貿易赤字を抱えるよりはるかに大きなリスクを抱えることになるからだ。
引き続き投資家は、3月以降の株価の上昇に備えるべきで、20,000円近辺は、仕込みどころだろう。問題は、ここ数日のドルの強さだ。つまり、輸出関連の銘柄を仕込むべきかどうかだろう。輸出関連、国際優良銘柄は、トランプ氏が為替を対日交渉の武器に使うようだと危険だが、そうでないなら、反発力は強い。
手堅く考えるなら、ドル安耐性があり、中国市場に依存していない銘柄の中から出遅れ銘柄を選別していくべきだろう。リバウンドの大きさを狙うなら、リスクはあるが、逆にドル安メリットがある銘柄で下落率が高いものを選ぶべきだろう。