アップルの下方修正で懸念強める ドル円は買い戻しも元の位置に戻せず=NY為替前半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2019/01/04 02:38

 きょうの市場はリスク回避の雰囲気が強まる中、為替市場はドル売り・円買いの動きが優勢となっている。前日引け後にアップルが10-12月期の売上高見通しを下方修正したことで全体的にネガティブな雰囲気が強まった。特に動きが派手だったのが円相場。東京勢が正月休みで薄商いの中、ドル円は東京時間に一時104円台まで暴落していた。フラッシュ・クラッシュ(瞬間的暴落)が発生した模様。アルリズム取引が動きを助長したようだ。

 104円台をつけた後、まもなくして買い戻しが入り急速に下げ渋ったものの、NY時間に入っても元の位置には戻せず、108円で上値を抑えられている。

 市場からは、今回はフラッシュ・クラッシュで大げさな動きとなったが、特に中国など世界経済への不透明感が強まる中で、例え一時的に戻ったとしても円高の動きは今後も続き、再び本日の安値を試すとのネガティブな見方も聞かれている。

 この日はISM製造業景気指数が発表になっていたが、2016年11月以来の低水準となり、為替市場はドル売りの反応を強めた。前回は予想外に受注が回復し、3ヵ月連続の低下から脱していたが、今回は再び製造業のセンチメント低下が示された格好。きょうの市場はアップルの下方修正で雰囲気が悪化しており、世界経済の米企業への影響が懸念されている。そのような中で、きょうの弱いISM指数に市場も敏感に反応したものと思われる。

 ユーロドルは買い戻しが優勢となる中、ISM指数が弱い内容だったことから、発表後に買い戻しが強まり1.14ドルちょうど付近に上昇。前日のユーロは大幅安となっていたが、その下げの半分を取り戻し21日線も回復。しかし、1.14ドル台には慎重な様子もうかがえる。

 あくまで世界経済への不安でユーロ圏もその対象。ユーロ圏は米国以上に中国との関係が密接で、中国経済の減速の影響は米国以上にユーロ圏経済を圧迫する。市場はFRBの利上げ期待を後退させているが、ECBの利上げも未知数な部分が大きくなってきている可能性もある。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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