ドル円は110円を巡る攻防

投稿:2018/12/26 14:46

ドル円は110円を巡る攻防

米政府機関の一部閉鎖のほか、パウエルFRB議長の更迭検討などトランプ政権による混乱から株価が暴落し、ドル円も4カ月ぶりの安値となる110.14円まで下落しています。トランプ大統領は今回の株価暴落を受け、パウエル議長について「信頼している」「優秀な人物」などとコメントして火消しに走っています。しかし、米政府機関閉鎖や米中通商政策、さらにはトランプ政権の人事やスキャンダルと問題は絶えません。

年末のドル買い要因として米企業のレパトリなども考えられますが、ここまでドルの悪材料が出そろうと年末年始に向けてのドルロングは苦戦を強いられそうです。また、年末年始で取引参加者が激減する薄商いのなか、引き続きトランプ大統領のツイッターが脅威となるため、どうしてもダウンサイドを警戒しなくてはなりません。

ドル円のチャートを見ると下落スピードが速かっただけにそれなりの反発は期待できそうですが、リバウンド狙いのロングは短期にとどめておく方が無難です。上昇余地の見極めがつけば再び売り場を探す方針です。110円前後にはオプションのオーダーが複数あり下値攻略は簡単ではありませんが、ブレイクできれば8月21日安値109.77円が次のターゲットと考えています。

井口喜雄
トレイダーズ証券 為替ディーラー
配信元: 達人の予想