■急落リスクを抱えながら、下値を試す展開も「目先の」買戻しには注意

著者:平野朋之
投稿:2018/12/25 17:07

気がかりなのがIMM日本円の投機筋の動き

■急落リスクを抱えながら、下値を試す展開も「目先の」買戻しには注意

■今週は、年末に向けて参加者不在で閑散の中、急落リスクを抱えながら、下値を試す展開を予想しています。

先週は世界的景気減速懸念が囁かれる中、日米株式市場の年初来安値更新したことを受けて、リスク回避姿勢が強く円買い優勢の展開となりました。

また、米国ではマティス国防長官辞任や米連邦政府機関閉鎖懸念といった材料が重なり、更にムードが悪くなり上値が重い展開が継続しています。ドル円相場も一時、110円台に突入する場面も見られました。


■さて、今週はまず米連邦政府機関の行方がポイントになりそうです。

暫定予算の期限が21日で期限切れとなったことで事実上、一部閉鎖することとなり、職員80万人に影響がでることとなってしまいました。

また、トランプ大統領もメキシコ国境建設費用を承認しない限り、長期間閉鎖することも辞さない構えのようです。

この影響は少なくても米経済にも影響がでることは必至で、株式市場も底抜け暴落になる可能性もでてきました。これにより、リスク回避の動きはより色濃く出ることが予想されるので、大台割れも時間の問題になるのではないかとみています。

■一番気がかりなのがIMM日本円の投機筋の動きです。

先々週末発表の日本円の売り越しは10万枚の大台を割り込んだものの、先週末の状況をみると、再び10万枚を上回っています。

もし110円の大台を割り込む状況になると、投げてくる可能性もあるので警戒したいところです。これまでレンジと思っていたドル円もここにきてトレンドが出始めているので戦略を変更せざるを得ない状況なのではないかとみています。

また、NYダウも23000ドルを下回り、日経225先物も歩調を併せるように20000円割れとなり、チャートもダブルトップ形成となり、天井を思わせる格好となっています。

今後は株式市場の動きを横目にしながらの展開になるとみています。

■最後に、テクニカル面からみたドル円です。


最近の112円-114円の狭い三角持合を下抜けています。

また、日足上では200日移動平均線がサポートとなっていますが、もしこれを割り込むとなると、大台はあっさり抜ける可能性もあるので、これまでのような押し目買いには気をつけたいです。

ここでの記事でも書いていますが、上昇トレンドも時間的に長かったこともあり、そろそろ調整はあると見ていましたが、来年に向けては大幅調整の年になるのではないかとみています。

日米金利差でドル買いをしていた投資家もそろそろ戦略選考に迫られる動きになりそうです。

下値のターゲットは以下のとおりです。

今年3月安値(104.56円)と10月高値(114.56円)に対するフィボナッチ
・38.2%・・・110.71円
・50.0%・・・109.54円
・61.8%・・・108.36円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想