世界的にリスクオフ感が高まる

著者:ひろぴー
投稿:2018/12/22 16:43

マティス国防長官が辞任

米国のマティス国防長官が辞任します。トランプ大統領とまたウマが合わなかったようです。
そして米国とメキシコの国境にて、壁建設の予算を巡る問題で、中間選挙後ねじれ国会ということもあり、共和党は民主党の賛成票が獲得できません。
そのため、予算が足らず、米国の政府系機関の一部が本日からしばらく閉鎖となりそうです。予算案が通らないままでおりますと、しばらくの間、閉鎖のまま時が経過します。

オバマ政権時代にも同じ現象が起こりましたが、確か数週間に渡って続いた出来事でした。今回はトランプ大統領が相手です。頑なに拒否を続けるのかもしれません。年明けまで一部の政府系機関は麻痺する可能性があります。

米中貿易戦争も続きそうですし、英国はブレグジット、欧州はイタリアの債務問題、フランスの経済成長減速、その他、ベルギーなど、欧州は問題だらけと再びなりはじめました。

そしてここへ来て原油価格の急落です。50ドルを割り込み、産油国の油田はほとんど赤字が続きそうです。中東、ロシアと体力が再び失われるタイミングとなってくるかもしれません。中東が冷え込むとインドも冷え込みます。中国が冷え込むと、オセアニア中心に世界全体の景気が冷え込みます。消去法で残るは、日本だけです。

世界最強の『円』相場がはじまりつつあります。ドル円もクロス円もビットコイン円もすべて円が強いです。その他、米国債とゴールドです。
資金が向かう先はこの3つです。

資本の行き先がないため、市場はこれらの資産を求めて動き始めていると思われます。

ユーロ円週足チャート

ユーロ円の週足チャートを見てみましょう。
売買戦略は売りですが、126.50円で追加のショートをいれました。
第一ターゲットは125円。来年は120円を目指す展開を予想しております。

欧州政治はかなり混沌としてきましたし、フランスの景気減速が如実です。英国も抜けていきますし、ドイツの景気減速も少しずつ現れてきいております。
特にドイツの製造業PMIは今年1月、2月には60を超えていたのですが、12月は51.5とかなりの減速具合です。
紛れもなくリセッション入りが始まっているようにも思います。

ドイツの製造業PMIが50を割り込みますと本格的に景気後退時期がスタートするでしょう。しかし、この数値の減速は中国経済に依存している割合が多いです。ドイツの最大貿易相手国は、中国、フランス、米国、英国となっております。
経常黒字では英国が1番多いそうです。

しかし、米国を除いた3カ国が確実な景気減速です。そして米国もこのままズルズル経済停滞をしますと、ドイツの経済指標は明らかに悪化をはじめます。
これでいよいよユーロを買う理由がなくなってきます。そうこうしているうちにイタリアや他の国の債務問題もまた浮上してくるでしょう。

ユーロ円は年明けもしばらくショートを保有しておきたいと思います。
ひろぴー
H&Iトレード株式会社代表
配信元: 達人の予想