日産自動車は買いか?

著者:西村剛
投稿:2018/11/21 15:57

株を買う目的と根拠が大切

日産自動車の株価がゴーン氏の逮捕により急落しました。

今回の株価急落を受け、

日産自動車の株を売ったほうが良いででしょうか?

それとも買い増ししたほうがよいでしょうか?

このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。私も今回に限らずこのようなご質問をよく受けるのですが、私は銘柄に関係なく、「株を買う根拠が明確でないなら売ったほうがよい」とお伝えしています。

例えば今回の日産自動車のように、個別銘柄の株価が急落した場合、株価がオーバーシュートするのを狙って短期的にトレードすることはありだと思います。システムトレードにおいても逆張り戦略では株価が急落した銘柄にシグナルが点灯しますし、今回のように不祥事等で株価が急落したタイミングで買付して、早ければその日のうちに手仕舞うといった戦略は有効でしょう。

一方、長期的な業績拡大を期待して株を長期間保有したり、安定した配当を期待して長期保有する場合は、買わないほうが賢明だと考えます。今回の場合、どのようなことが原因でゴーン氏が解任されたのか詳細が分かりませんし、会社ぐるみの不祥事と言うこともあり得ます。長期的に業績が悪化したりする可能性ももちろんありますし、機関投資家が保有する株式を売却する可能性もあります。そして最悪の場合、上場廃止というのもあり得るでしょう。ですので長期間保有する目的の場合、このような銘柄を買うのはリスクが高いと言わざるを得ません。

このように株を買うにはしっかりとした目的や根拠が必要です。目的がはっきりしない場合や株を保有している理由があやふやになったときはいったん全て売却し考える時間を設けたほうがよいでしょう。もしあなたが株を買うべきか売るべきかがはっきりしていないときはトレードを控えることをおすすめします。
西村剛
フェアトレード株式会社 代表取締役
配信元: 達人の予想