先週からのドル安圏で推移、ポンドには神経質さが残る=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/11/19 21:49
先週からのドル安圏で推移、ポンドには神経質さが残る=ロンドン為替概況

 19日のロンドン市場は、先週からのドル安圏での推移。ドル円は112円台後半での揉み合い。ユーロドルは1.14台でやや高値を更新。豪ドル/ドルは株式動向をにらんでやや上値が重い。先週末にクラリダFRB副議長やカプラン・ダラス連銀総裁の慎重なトーンの発言がドル安圧力となっており、週明けもその流れが継続している。きょうはこのあとのNY市場でウィリアムズNY連銀総裁の講演が控えており、引き続き注目されている。そのなかで、ポンド相場は神経質に上下動。序盤はポンドドルが買われたが、中盤には急反落。25日のEU首脳会議を控えて、EU離脱をめぐる思惑が飛び交っているもよう。

 ドル円は112円台後半での取引。東京市場では112.61から112.90でのレンジ取引だったが、ロンドン市場でも同水準での揉み合いとなっている。欧州株が買い先行から売り優勢に転じているが、ドル円の振幅はレンジ内にとどまっている。欧州株の売りの一因として、日産のゴーン会長が所得過小申告で逮捕と報じられたことが指摘されている。ルノー株が急落したことで、その他自動車株も軟調に。英国やイタリア情勢の混とんとした状況とともに、センチメントへの重石となっているもよう。

 ユーロドルは1.14台前半での取引。ロンドン序盤に1.1394レベルまで下押しされたあとは、再び堅調に推移している。一時1.1434レベルと先週末の高値を更新。その後も1.1420近辺に高止まりしている。ユーロ円も堅調。128.50近辺で下げ止まると128.97レベルに本日高値を更新した。対ポンドでの買いフローも観測されて、欧州株の下げ転換にも下値は堅い。9月のユーロ圏経常収支は169億ユーロに黒字幅が縮小したが、ユーロ相場は反応薄だった。

 ポンドドルは1.28ちょうど近辺での取引。ロンドン序盤には1.2820近辺を安値に1.2884レベルまで買われた。しかし、取引中盤には一気に反落して1.2795レベルまで安値を広げた。ポンド円も144円台後半から145.32レベルまで買われたあとは、急反落して安値を144.30近辺に広げた。25日にEU首脳会議を控えている。市場には離脱合意への期待感が広がっているが、一方で、一部報道が保守党議員からの不信任文書が50通集まっているとして、一両日以内に不信任投票が行われる見込みとしている。メイ英首相はあくまでもこれまでのブレグジット案にこだわっており、一部には移行期間の延長を否定しているとの報道もあった。情報が錯そうしている。 

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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