【相場材料】ブレグジット交渉
【現状】保守党でメイ首相の不信任投票を実施か
【ポイント1】メイ政権崩壊となれば、「合意なき離脱」も
【ポイント2】英議会が協定案を承認するか、引き続き不透明
15日、ラーブ離脱担当相ら閣僚が相次いで辞任
メイ政権は臨時閣議でブレグジット協定案を了承しましたが、直後からメイ首相に抗議してラーブ離脱担当相やマクベイ労働・年金相が辞任。さらに、複数の閣僚が辞任する可能性があるようです。
保守党がメイ首相の不信任投票?
保守党内の離脱強硬派の代表格、リースモッグ議員が党首選を司る「1922年委員会」に党首(=メイ首相)の不信任投票を求める書簡を提出しました。48人の議員が実施を求める書簡を提出すれば、すぐにでも不信任投票が実施されます。現時点で何人が書簡を提出したかは明らかになっていません。
不信任投票が実施されれば、所属議員315人の過半数(158人以上)の賛成で党首は交代することになります。過半数が賛成するかどうかも不透明です。
11月25日に臨時EUサミット?
英国の閣議了承を受けて、25日に臨時EUサミットが開催される方向です。臨時サミットでは加盟国首脳がブレグジット協定を承認し、これを持ち帰って各国議会に諮る手はずです。トゥスクEU大統領は、「何か重大なことが起きなければ」サミットを開催すると語りましたが、メイ首相降板となれば「重大なこと」に該当するでしょう。
あるいはメイ首相降板でも臨時サミットを開催して、「合意なき離脱」への対応を検討することになるかもしれません。
英議会の反応は引き続き不透明
メイ首相が不信任の危機を切り抜けても、議会が協定案を承認するかどうかは非常に不透明です。議会の過半数に満たない与党保守党を閣外協力してきた北アイルランドのDUP(民主統一党)は、首相が交代しなければ協力しないとの報道も出てきました。事態は一段と流動化しています。