ドル売り優勢もドル円は底堅い推移 ポンドに買い戻し=NY為替後半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/11/14 06:02
 NY時間の終盤に入ってドル円はやや戻り売りが優勢となっており113.75円近辺で推移。ただ、ドル円は底堅く推移してる印象もある。前日は米株急落によるリスク回避の円高で113円台に再び下落し、東京時間には113.60円近辺まで値を落としていた。しかし、貿易問題で米中が協議を再開との報道をきっかけにドル円は買い戻しが優勢となっており、114円台に戻していたが、米株が下げに転じていることからドル円も113円台に再び下落している。

 一方、下値も底堅くリバウンドの流れが崩れる気配も見られていない。きょうは一服しているものの、もうしばらくドル高が続くとの期待が根強く、ドル円をサポートしているものと見られる。米大手金融のファンドマネジャー調査によると、ドルロングが最も多かった取引の一つとなっているという。米追加利上げが期待されるなか、ドル資産は魅力的な投資先になっているようだ。

 ユーロは対ポンドでは下落しているものの、対ドル、円では上昇。ユーロ円は128.75円付近まで一時上昇。ポンド買いに連れ高している面が大きい。

 きょうはイタリア政府が欧州委員会に予算の修正案を提出する期限となっており修正案を提示した。しかし、中身は変わらず2019年の財政赤字目標はGDP比で2.4%、成長見通しも1.5%で据え置いている。欧州委員会は拒否しそうな内容だが、イタリアのサルビニ副首相は、「例え欧州委員会が合意しなくても改革を継続する」と語っていた。欧州委員会が受け入れを拒否し、数十億ユーロの制裁金を課すプロセスの検討に入って行く可能性もあり、こちらはなお不透明な情勢が続いている。

 ポンドは終盤に伸び悩んだものの、きょうは買い戻しが目立った。一部報道で英国とEUの交渉担当者が、どのように北アイルランドのハードボーダー(厳格な国境管理)を回避するかに関する文言で合意したと伝わっている。明日、メイ首相は英EU離脱に関する臨時閣議を開催するようで、合意なきEU離脱の回避に向けて市場は再び期待感を高めていた模様。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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