ついていきたくない前提も、押さないリスクが…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/10/04 10:32

ついていきたくない前提も、押さないリスクが…!?

◆思っていたよりも、早かった… - 明確な114円越え

※ご注意:予想期間は10月5日と表示されていますが、本日(10月4日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


思っていたよりも、早かった…。

イタリア財政懸念の後退(『21年に財政赤字比率2%を目指す』との報道)は、「リスク回避姿勢の後退」を促しました。
そして強い米経済指標(ADP雇用指数は予想を上回る23.0万人、ISM非製造業景況指数は1997年8月以来の61.6)は、「米雇用統計への期待感」と「米金利先高観の増幅」を招きました。

米10年債利回りは2011年7月以来の3.18%後半へと急上昇、一方で本来ならばネガティブに捉えるNYダウも堅調推移を続けたことで、「リスク選好姿勢への傾斜」まで見られ始めています。
押さえ込まれてきた114円ラインを明確に越えたドル円は、一気に114円半ばへと駆け上がっています。


◆115円台も視野入り…?

“下がらない”どころか“上値ブレイク”となったことで、「115円台が完全に視野入り」した格好といえます。
115円超は“いわゆる真空地帯”となっているだけに、「短期筋の仕掛け的な動き」にも期待が募るところです。
本日予定される新規失業保険申請件数が“仮に20万件割れ”にでもなれば、「1969年以来の水準⇒米雇用統計に対するもう一段の期待感」へとつながってもおかしくないところでもあります。


◆利益確定売り先行が自然な局面ではあるが…!?

もちろん普通に考えると、「イベント前のブレイク⇒上昇往き過ぎ感台頭⇒利益確定売り先行」と考えるのが自然な局面であることは事実です。
しかしテクニカル的に重要なのは“115円ラインよりも手前(17/11/6高値:114.733円)”であり、“あとわずか”というところまですでに来ています。
「高いところはついていきたくない」が前提ですが、「それほど押さない」「場合によってはそのまま…」といった可能性も、リスクとして考えておきたいところです。


◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:115.348(16/12/15~18/3/23の76.4%戻し)
上値4:115.187(17/3/14高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:115.000(大台)
上値2:114.879(17/3/15高値、ピボット1sレジスタンス)
上値1:114.733(17/11/6高値)
前営業日終値:114.520
下値1:114.294(10/3NYタイム終盤の押し目)
下値2:114.156(10/3安値後の38.2%押し)
下値3:114.035(10/3安値後の50%押し、大台)
下値4:113.915(10/3安値後の61.8%押し、ピボット1stサポート)
下値5:113.779(9/27~10/3の38.2%押し)


※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:13 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想