過熱感は幾分後退、このまま下方向は想定しづらい…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/10/03 10:35

過熱感は幾分後退、このまま下方向は想定しづらい…!?

※ご注意:予想期間は10月4日と表示されていますが、本日(10月3日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。

◆リスク選好姿勢後退、113円半ばへ反落

“114円ラインの重さ”が域視される中、日経平均に“利益確定売り”が入りました。
リスク選好姿勢は緩やかに後退し、ドル円は“より上値の重い”展開を強いられました。

こうした状況になると、得てしてこんなもの…。
欧州では“伊財政懸念”、南シナ海では“地政学的リスク”が噴き出し、リスク選好姿勢はさらに後退していきました。
ジリジリと上値を削ったドル円は、113円半ばへと値を落としています。

もっともパウエルFRB議長講演は“前回FOMCを踏襲”した内容であり、“緩やかな利上げ継続”が改めて強調されました。
緩やかに米10年債利回りが値を戻す中、ドル円にも次第に買い戻し圧力がかかりつつあります。


◆「頭打ち?」、それとも「ポジション調整?」

ここからのポイントとなるのは、これが「頭打ち?」、それとも「ポジション調整?」の見極めです。

前記“伊財政懸念”“地政学的リスク”はいずれもリスク回避要因であり、さらに進展するようなことがあると「もう一段の円買い戻し」は避けられないと考えるのが自然です。
本日最終日を迎える英保守党大会にて“Brexit懸念”が再燃するリスクまで考えれば、“上値が重い”は覚悟せざるを得ないところでもあります。


◆ただし、昨日の動きで“過熱感”は薄れつつある…!?

ただ“日米金利格差拡大”をテーマする動きは相変わらずであり、昨日の動きにて“過熱感”も薄れつつあります。
そして“国内機関投資家の円売りニーズ”も旺盛であり、それを裏付けるかのようなドル買いオーダーが113円半ばからズラッと並んでいます。
割り込むと“200週移動平均線(113.183円)”と重なる“7/19高値(113.169)”辺りまで下値メドは拡がりますが、本日は“主要な米経済指標(ADP雇用統計等)/米要人発言(パウエル議長/ブレイナード理事等)”が控えています。
それらを前に「このまま下方向に動意づく」は想定しづらい…?

“次なる材料待ち⇒本日は動きづらい”と考えざるを得ない面はありますが、“大きくは崩れない”“押してもポジション調整の範囲内”を基本とし、そして“ここからそうは下がらない”と見て、マーケットと対峙したいところです。


◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:114.334(17/11/7高値)
上値4:114.236(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:114.067(17/11/9高値、10/1-2高値)
上値2:113.962(ピボット1sレジスタンス、大台)
上値1:113.854(10/1~10/2の61.8%戻し)
前営業日終値:113.689
下値1:113.486(9/27~10/1の38.2%押し、10/2安値、ピボット1stサポート)
下値2:113.311(9/28安値、9/27~10/1の50%押し)
下値3:113.252(ピボット2ndサポート)
下値4:113.169(7/19高値、9/18~10/1の38.2%押し、9/27~10/1の61.8%押し、日足・一目均衡表転換線、200週移動平均線)
下値5:113.000(大台、ピボットローブレイクアウト)


※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:54 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想