メイ発言でポンド円が急落 リスク選好一服でドル円も利益確定売り=NY為替前半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/09/22 03:41
 きょうのNY為替市場でドル円は利益確定売りが優勢となっている。NY時間の序盤こそ買い優勢で始まったものの、次第に上値は重くなったメイ英首相の発言でポンドが急落し連れてユーロも下落。欧州通貨の下げがドル買いを誘発しドル円をサポートしていた格好。ドル円は112.80円付近まで上昇し東京時間の高値をうかがう展開も見られていたが、次第に上値が重くなり戻り売りが強まった格好。米株式市場でナスダック、債券市場で米10年債利回りが一時下げに転じ、ドル円の利益確定売りを誘ったようだ。

 今週はトランプ大統領が中国への制裁関税の発動を発表するなど、米中貿易問題のエスカレートが伝えられていたが、市場は意外なほど落ち着いた反応を見せ、株式市場を中心にリスク選好の動きが強まっていた。ドル円も円安の動きが強まり、買いが強まったが、週末ということもありポジション調整が出ているのかもしれない。ただ、いまのところ112.50円水準は維持しており底堅さは堅持している。

 きょうはポンド売りが加速し、ポンド円は147円ちょうど付近まで一時下落した。リスク選好の雰囲気もあってきょうの東京時間には一時149.70円付近まで上昇し、心理的節目の150円をうかがう動きも見せていた。そこから200ポイント超急落した格好となる。きょうの下げで200日線を再び下回っている。

 原因はメイ英首相の発言が相次いで伝わったこと。首相は「英国とEUは袋小路に陥っているが、EU離脱は悪い合意ならない方がましだ」と述べている。このところEU離脱交渉に関しては、楽観的な見方が市場に広がりポンドの買い戻しを誘発していたが、メイ首相の発言からすれば、依然として情勢は不透明なようだ。もし、合意なき離脱という最悪のシナリオとなれば、ポンドは20%下落するとのシナリオもある。

 ポンドの動きにユーロも連れ安しており、ユーロ円は132円台前半に下落。ロンドン時間に発表になっていたユーロ圏製造業PMIが予想を下回っていたこともユーロの利益確定売りを誘発した。

 きょうは全般的にリスク選好の動きが一服といった雰囲気だ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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