■業績動向
1. 2018年12月期第2四半期累計業績の概要
2018年7月31日付で発表されたサイオス<3744>の2018年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比0.7%増の6,270百万円、営業利益が同26.5%減の127百万円、経常利益が同28.5%減の131百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同12.0%減の79百万円となり、同社が経営指標として重視しているEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)についても、同36.2%減の166百万円となった。
売上高は、PCIで展開している金融機関向け経営支援システムが大幅増となったほか、Red Hat,Inc.関連商品も順調に伸びたことで僅かながら増収となったものの、自社開発品である「LifeKeeper」やMFP向けソフトウェア製品等の販売が落ち込んだことで、売上総利益は前年同期比4.9%減となった。販管費はのれん償却額が前年同期比で41百万円減少したことを主因に同3.0%減少したものの、売上総利益の減少分を補えず、営業減益となった。EBITDAの減益率が営業利益よりも大きくなっているのは、のれん償却額が減少したことによる。
四半期別の業績推移を見ると、2018年12月期第1四半期に関しては金融機関向け経営支援システムで前期からの受注の期ズレがあったため、営業利益で223百万円と2年ぶりに2億円を上回る水準となったが、第2四半期は一転して95百万円の損失に転じている。例年、季節要因で第1四半期が収益のピークとなる傾向ではあるが、それを考慮しても今第2四半期は前四半期比での落差が大きくなった。これは「LifeKeeper」やMFP向けソフトウェア製品の販売における大型案件の割合が減少したことが要因となっている。
2. 事業セグメント別の動向
(1) オープンシステム基盤事業
2018年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比3.5%増の3,543百万円、セグメント利益は同81.2%減の20百万円となった。主要製品の売上動向を見ると、「LifeKeeper」は前年に大幅伸長した米国向けの反動減や国内での低調推移により減収となったものの、IT投資拡大を追い風に、Red Hat,Inc.関連商品の販売が順調に拡大したほか、OSSサポートサービスやOSS関連商品も堅調な増収となった。利益面では、商品販売の粗利率が前年に引き続き低下したことや、「LifeKeeper」の販売減が減益要因となった。
(2) アプリケーション事業
2018年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比2.7%減の2,727百万円、セグメント利益は同63.1%増の107百万円となった。売上高はPCIが展開する地方銀行等の金融機関向け経営支援システムの販売が大幅増収となったものの、MFP向けソフトウェア製品が大型案件の受注減少により減収となったほか、KPSで展開する金融機関向けシステム開発・構築支援も受注が低調に推移し減収となった。一方、利益面では新規事業関連費用が増加したものの、PCIに関するのれん及び顧客関連資産の償却費で合わせて50百万円減少したことが増益要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>
1. 2018年12月期第2四半期累計業績の概要
2018年7月31日付で発表されたサイオス<3744>の2018年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比0.7%増の6,270百万円、営業利益が同26.5%減の127百万円、経常利益が同28.5%減の131百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同12.0%減の79百万円となり、同社が経営指標として重視しているEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)についても、同36.2%減の166百万円となった。
売上高は、PCIで展開している金融機関向け経営支援システムが大幅増となったほか、Red Hat,Inc.関連商品も順調に伸びたことで僅かながら増収となったものの、自社開発品である「LifeKeeper」やMFP向けソフトウェア製品等の販売が落ち込んだことで、売上総利益は前年同期比4.9%減となった。販管費はのれん償却額が前年同期比で41百万円減少したことを主因に同3.0%減少したものの、売上総利益の減少分を補えず、営業減益となった。EBITDAの減益率が営業利益よりも大きくなっているのは、のれん償却額が減少したことによる。
四半期別の業績推移を見ると、2018年12月期第1四半期に関しては金融機関向け経営支援システムで前期からの受注の期ズレがあったため、営業利益で223百万円と2年ぶりに2億円を上回る水準となったが、第2四半期は一転して95百万円の損失に転じている。例年、季節要因で第1四半期が収益のピークとなる傾向ではあるが、それを考慮しても今第2四半期は前四半期比での落差が大きくなった。これは「LifeKeeper」やMFP向けソフトウェア製品の販売における大型案件の割合が減少したことが要因となっている。
2. 事業セグメント別の動向
(1) オープンシステム基盤事業
2018年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比3.5%増の3,543百万円、セグメント利益は同81.2%減の20百万円となった。主要製品の売上動向を見ると、「LifeKeeper」は前年に大幅伸長した米国向けの反動減や国内での低調推移により減収となったものの、IT投資拡大を追い風に、Red Hat,Inc.関連商品の販売が順調に拡大したほか、OSSサポートサービスやOSS関連商品も堅調な増収となった。利益面では、商品販売の粗利率が前年に引き続き低下したことや、「LifeKeeper」の販売減が減益要因となった。
(2) アプリケーション事業
2018年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比2.7%減の2,727百万円、セグメント利益は同63.1%増の107百万円となった。売上高はPCIが展開する地方銀行等の金融機関向け経営支援システムの販売が大幅増収となったものの、MFP向けソフトウェア製品が大型案件の受注減少により減収となったほか、KPSで展開する金融機関向けシステム開発・構築支援も受注が低調に推移し減収となった。一方、利益面では新規事業関連費用が増加したものの、PCIに関するのれん及び顧客関連資産の償却費で合わせて50百万円減少したことが増益要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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