今週のドル円相場 下落リスクが高まるか?(8/20週)

著者:山口哲也
投稿:2018/08/20 12:34

【先週のドル/円の値動きと今週の経済指標】

主要経済イベント
先週の米ドル/円(TFX)は小幅に続落。110.610で寄り付いた米ドル/円は、トルコリラ下落をきっかけとしたリスク回避の流れから13日には週間の安値となる110.095まで下落。その後はトルコリラの反発をきっかけに111.445まで上場するも、米国の対トルコ制裁に対する警戒感などにより再びリスクオフムードとなり、110.620で引けました。

今週の主な経済指標は図のとおりで、23日のFOMCに加え、22日から23日にかけて開催される予定の米中通商協議のゆくえや、23日から25日にかけて米ワイオミング州ジャクソンホールにおいてカンザスシティ連銀主催で開催される年次経済シンポジウムにも注目が集まります。

FOMC議事録公表においては、FEDが9月と12月のFOMCで利上げをおこなうことを示唆した内容となっているかどうか、また、ジャクソンホールの経済シンポジウムでは世界各国の主要な中銀関係者が参加し、発言されるため、その内容に注目です。
なお、現地時間では8月23日(木)午後6時から8月25日(土)午後2時までで、日本時間では8月24日(金)午前9時から8月27日(日)午前5時までとなり、特に注目されているのは、現地時間24日のパウエルFRB議長の基調講演です。

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
先週の米ドル/円は、52週移動平均線と13週移動平均線を一時割り込むも終値ではこれを上回って引けましたが、今週は13週移動平均線を再度割り込んでスタートしており、今週末の終値ベースでこの水準を回復できるかどうかに注目です。
今週は週末にかけて注目されるイベントが多く、週前半は動きにくいところです。
目先は52週移動平均線が位置する110.277がサポート、13週移動平均線が位置する110.676がレジスタンスとして意識され、週末から来週にかけてこのどちらかをブレイクしてくるものと思われますが、ストキャスティクスが下降基調となっていることもあり、下落リスクが高いと考えられます。

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
一方、米ドル/円の日足チャートを見ると均衡表が逆転(転換線が基準線を下回ること)、遅行スパンが逆転(遅行スパンが日々線を下回ること)と2つの売りサインが点灯いたしました。
さらに、日々線と雲が逆転(日々線が雲を下回ること)すると三役逆転となり、その場合、目先の目標価格は200日移動平均線が位置する109.89になります。

このコメントはテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想