まだ“レンジの範囲内”も、ひょっとすると…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/07/10 10:31

◆材料難の中、幅広い通貨に対して円売り

※ご注意:予想期間は7月11日と表示されていますが、本日(7月10日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


材料難の中、昨日は“米株高/米債券安(長期金利は上昇)”が目立ちました。
これに“米中貿易戦争懸念の緩和(一服感)”が重なり、幅広い通貨に対して円売りが目立ちました。
“110.30-50円”水準で全くの横ばい(膠着)推移となっていた東京タイムからは一転、ドル円はNYタイムに入って“110.90円”水準へと上値を伸ばしています。

◆米中貿易戦争懸念は今後も燻ると見るが…?

米中貿易戦争懸念は「すぐに払拭する」といった類の話ではないだけに、今後も燻る(上値を押さえる)と見るのが自然かもしれません。
しかしながら“想定の範囲内”に留まっている現時点では、「リスク回避の巻き戻しニーズに一日の長」があると見るのがより自然です。
さらに欧州を起点とした“株高の連鎖”も先週5日から続いており、「目先はリスク選好フローも入りやすい」ともいえます。

◆ただテクニカル的には「上値追い志向が勝りつつある」…!?

“110.90-111.15円”に展開するドル売りオーダーが分厚いだけに、オーダー状況からは「こなしきれるかは微妙」といわざるを得ないところがあります。
しかし“20日移動平均線(本日は110.432円)”に連続して下値を支えられ、昨日の動きで“抱き線(包み線)”を描いたことから、テクニカル的には「上値追い志向が勝りつつある」と考えることは十分可能です。

前記ドル売りオーダーが“7/3高値(111.136円)”にかけて展開していることを考えると、抜ければ「オーダー/テクニカル双方を突破⇒ストップロスを絡める可能性が高い」と考えることも可能です。
これを短期筋が見逃すか…?

材料が乏しいだけに「決め打ちは禁物」ですが、「7/3高値を巡る攻防戦」を期待を持って見守りたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.575(ピボットハイブレイクアウト)
上値4:111.481(1/18高値、週足・一目均衡表先行スパン上限)
上値3:111.393(5/21高値、週足・一目均衡表先行スパン下限)
上値2:111.183(5/22高値、7/2高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:111.031(ピボット1stレジスタンス、大台)
前営業日終値:110.826
下値1:110.586(7/4~7/9の50%押し)
下値2:110.513(7/4~7/9の61.8%押し、ピボット1stサポート)
下値3:110.432(20日移動平均線)
下値4:110.353(7/9安値)
下値5:110.275(7/4-5安値、6/25~7/3の50%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:56 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想