雇用統計にインディペンデンス・デイ 今週の為替展望(7/2週)

著者:山口哲也
投稿:2018/07/02 15:19

【先週のドル/円の値動きと今週の経済指標】

今週の主要な経済指標
先週の米ドル/円(TFX)は反発。109.920で寄り付いた米ドル/円は、米中貿易摩擦懸念の高まりや株安などにより、週初は一時109円台前半まで値を下げる展開となりましたが、その後はリスクオン相場となり4日続騰。週末には6月15日の高値110.915を越えて110.955まで上昇。110.71で引けました。


今週の主な経済指標は図のとおりです。経済イベントとしては、特に2日の米6月ISM製造業景気指数、5日のADP雇用者数、ISM非製造業景気指数、6日の雇用統計に注目が集まります。また、6日に中国に対する追加関税の発動などもあり、引き続き、米中貿易摩擦の加熱懸念にも注意が必要です。

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
先週の米ドル/円は、13週移動平均線に下支えされながら、再度52週移動平均線を上回りましたが、111円は引き続きレジスタンスとして意識されそうです。
米中貿易摩擦懸念が後退し米経済指標が予想以上に強く、それによってリスクオン相場となるようであれば、111円処や5月の高値1114.450を上回って上昇してくる可能性はありますが、目先は先週もご案内のとおり中段保ち合いの相場状況と読み取れ、当面は109円から111円の間での推移が継続するものと思われます。
(※ただし、その後、相場は再度上昇基調になると予想しています。)

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
一方、米ドル/円の日足チャートは先週に再度200日移動平均線、一目の転換線を上回ってきています。ストキャスティクスも上向きとなっていますが、ストキャスティクスが反転してから時間が経過していることに加え、111.00や111.40はレジスタンスとして意識されるため、現在の110円台後半は買うのには中途半端な水準です。

当面の戦略としては2つ。1つはトレンドフォローで相場が111円を超えるようであれば買うといった方法。
もう1つはカウンタートレンドで、再度相場が110円から109円台半ばまでの戻りを待ってから買うといった方法で、どちらにしろ、ISMや雇用統計、米中貿易問題などを確認しつつ対処したいところです。仮に米経済指標が弱く、米中問題が再燃する場合は、買売買スタンスを売りに変えることも重要です。

このコメントはテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想