小次郎講師の徹底解説【テクニカル分析の重要性】

投稿:2018/06/05 10:30

「新コジテク(小次郎講師の使えるテクニカル分析講座)実践編」第3回


□皆さんこんにちは。小次郎講師です。


■助手のムサシです。この新シリーズも3回目ですね。よろしくお願いします。

□さて、前回「トレンド イズ フレンド」という話をしたことを覚えているかな?

■小次郎講師、もちろんですよ。相場の流れが何よりも大事なんですよね。

□そうだ。だからトレードで安定した利益を上げるためには、自分でトレンドを見つけ、それをしっかりと把握する力が必要不可欠なんだ。
というわけで、今回はトレンドをがっちりと掴むための鍛錬をしていこう。

■正しい選球眼を手に入れるぞ!

1、トレンドの種類

□トレンドには「上昇トレンド」と「下降トレンド」、そしてトレンドレスの「もみ合い」状態がある。

■常にこのどれかなんですか?

□大別すれば、だ。
どんな銘柄にも常にトレンドが発生しているわけではないが、それでも少なくとも年に何回かはトレンドが発生するもの。
相場というものは常に動き続けているからね。
だから私は色んな投資商品や銘柄を見て取引する方が、「投資するのは〇〇だけ」と固執するよりもその分チャンスが多くなるとオススメしている。

■広く見渡す視野が大事そうです。

□そしていったんトレンドが発生するとその状態は継続するという性質がトレンドにはあるんだ。
ただ、どんなトレンドもいつかは終わる。永遠に上がり続ける・下がり続けるということはないからね。

■明けない夜はない、と。

□ムサシ君、それはちょっと違うかもしれないぞ。

■あちゃー。

□トレンドはいつか終わる、だが明日終わるか、それとも明日以降も継続するのかということを天秤にかけた時に、そのまま継続する可能性の方が高いだろうと見ることができるのが、トレンドが発生している際の特徴なんだ。

■トレンドが発生した時こそ、まさに「エッジ」が発生している状態なんですね。

□そう、だからその状態をトレードに役立てて、有利な状態で取引をした方が圧倒的に勝つ確率は高まる。

■なるほど。

□買いの「上昇トレンド」だけでなく、売りの「下降トレンド」でもトレンドフォローで利益を上げていけるのが理想だ。

2、トレンドの見極め

□その為には、きちんとトレンドを把握できるようになること。
いいかいムサシ君、こういった値動きがあったとすると、
この4つの中で上昇トレンドが発生しているチャートはどれか分かるかな?
 

 
■えーと、見たところどれも価格が上がっているように見えますが…

□一見するとそうだが、これらにはそれぞれ違いがあるんだ。

■③や④は線がグニャグニャとあまり綺麗ではないですね。

□お、良いところに気付けているぞ。
まずトレンドの定義だが「上昇トレンドは高値切り上げ・安値切り上げ。下降トレンドは安値切り下げ・高値切り下げ。」
ここが大事。

■高値と安値が同じ方向に移っていくということですか?

□そういうこと。
だが価格は決して一本調子に上がったり下がったりするのではなく、波打ちながら移動していく。それが「波動」。つまりトレンドは波動を併せ持つと言っていい。
 

 
□この山と谷を繰り返している時に、その天井と底同士が前回より高く切り上がっていくのが上昇トレンド、反対にその天井と底同士が前回より低く切り下がっていくのが下降トレンドと言える条件だ。

■あ!思い出しました。これが有名な「ダウ理論」というやつですね。

□そうだムサシ君。
よって先ほどの②のケースでは安値が途中で切り下がっているから上昇トレンドとは言えない。③も同様だ。

■では④のケースはどうなんですか?
一応その条件は満たしていそうですけど。

□確かに広く見ればこの場合もトレンドがあると言えそうだが、
そもそも上昇途中の下げである押し目は買い方の利益確定で出てくる“買い方の行為“なんだ。

■確かにある程度利益が出たら売って決済しますもんね。

□そう、その売り物で価格はいったん下がるものの、上昇トレンドが発生しているわけだから上方向への勢いは依然強く、安くなったところでまた買われる。

■そうして価格がまた上がっていく。

□だから“安定性”というものもトレンドには大事なんだ。
ところが④のパターンでは途中でガクガクと上下し、利益確定で上下したという感じではなくなる。

■しばらく上昇した後に利益を確定するために売られた、という感じがしないですもんね。

□そういった意味で相場の好循環がなければ、安定したトレンドが発生しているとは言い難い。よって答えは①のケースだと言える。

■価格が右肩上がりだからといって、すぐに上昇トレンドだと飛びついてはいけないということが良くわかりました。

3、トレンドラインの引き方

□なぜトレンドを見るのかというと、単にエッジが発生しているかどうかだけではなく、例えば上昇トレンドなら前回の天井より今回の天井が低い、前回の底より今回の底が低いというような事態が現れたら、それは上昇トレンドの破綻を表しており、トレンド転換を予兆しているとも言えるからだ。

■始まりだけではなく終わりにも着目すべきなのか。
でも小次郎講師、どうすればチャート上でその状態を見つけやすくできるんですか?

□そのために引くのが「トレンドライン」。ムサシ君も名前は聞いたことあるだろう。

■はい、あります。

□ではその引き方だが、ここでまたクイズ。上昇トレンドだったらどう引くのが正解か。
 

 
■小次郎講師、クイズが好きですね。

□余計なことはいいから早く答えろ。

■真ん中に引く③ですか?

□波動の振幅の中心部分を見定める③も間違いじゃないんだが、基本は①。
波動の底同士を繋いでいく。
反対に下降トレンドだったら、天井同士を繋いでいく②が正解だ。
 

 
□トレンドラインを引く時は、細部にこだわり過ぎず、マジックで大きく引くイメージを持つことも重要。

■なんで上昇トレンドだったら底同士、下降トレンドだったら天井同士になるんでしょうか?

□さっきも言っただろ。そこでトレンドの終焉を見ているんだ。
上昇トレンドだったら、もし価格がそのラインを下に割れ込んだらトレンドが終了するかもしれないという予兆を教えてくれる。
 

 
■あぁ、安定しているトレンドが崩れるということですもんね。

□そして下降トレンドだったらその逆で、天井同士を繋いだトレンドラインを上抜けたら、もうそろそろトレンドが終了するかもしれないという予測を立てることができる。
 

 
□トレンドラインを割れ込んだら必ずそこでトレンドが転換するというわけではないが、今後の展望が少しでも読めるということは、それだけでチャートを分析する際の重要な指針となってくれる。

■そう考えると、とっても使えますねトレンドライン。

□ムサシ君もこれを使って身近なトレンドを是非分析してみたまえ。

■はい、わかりました!

□これにて第3回講義終了。

■起立、礼!
 

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【動画】小次郎講師のテクニカル分析講座
 http://commodityonlinetv.com/basic-the-commodity/
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配信元: みんかぶ株式コラム