ドル買い基調変わらずも、本日は「一旦の高値達成感」を警戒…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/05/18 11:42

◆5/15高値を突破、111円ラインに迫る

※ご注意:予想期間は5月19日と表示されていますが、本日(5月18日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


好調な米経済動向&原油高騰を背景にした“インフレ警戒⇒米金利先高観”は、米10年国債利回りを「2011年7月以来の3.12%」へと押し上げ(債券価格は下落)ました。
一方で一時120ドル超の下落を見せたNYダウは、最終的に54ドル安まで持ち直しました。
このためリスク回避姿勢の台頭は鈍く、“5/15高値(110.451円)”を明確に上回ったドル円は一気に“17/11/6~18/3/23の61.8%戻し(110.874円)”水準へと上値を拡大しました。

◆ただし“にわか上値期待”が急増中…

ここまで来れば「111円ライン回復を意識」、もしかしたら“1/8~3/23の76.4%戻し(111.315円)”を経て、“週足・一目均衡表先行スパン下限(111.963円)”と合致する「112円ライン回復」まで意識する向きもあるかもしれません。
しかしながらそれだけに、個人的に警戒する“にわか上値期待”が、「ここにきて急激に増加」している印象があります。
さらに本日は週末というスケジュール感の中、昨日は前記“61.8%戻し”へと到達しました。
「一旦の高値達成感」は、台頭しても決しておかしくないところです。

◆「ドル買い基調は続く」と考えるが…!?

オーダー状況を見ると、“111.10-20円”にストップロスオーダーが散見されているものの、“111円手前(110.85-111.00円)”にかなりの厚みを持ったドル売りオーダーが展開しています。
“仕掛け的な動き”が入らないとも限りませんが、週末ですので「高値はあまり買いたくない」といった意識も働きやすいと見ます。

「ダブルトップ否定の影響は大きい(ドル買いを意識)」は続くと考えますが、本日に関しては「一旦ドル売り先行(ポジション調整)」を警戒しておきたいところです。
その上で押す局面があれば、「丁寧に買い拾って」いきたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.963(週足・一目均衡表先行スパン下限、大台)
上値4:111.838(ピボットハイブレイクアウト)
上値3:111.315(1/8~3/23の76.4%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:111.057(20月移動平均線、大台、ピボット1stレジスタンス)
上値1:110.857(5/17高値、17/11/6~18/3/23の61.8%戻し水準)
前営業日終値:110.775
下値1:110.348(50週移動平均線)
下値2:110.205(5/11~5/17の38.2%押し、200日移動平均線、ピボット1stサポート)
下値3:110.014(5/4~5/17の38.2%押し、5/11~5/17の50%押し、5/16-17安値、大台)
下値4:109.803(5/11~5/17の61.8%押し)
下値5:109.754(5/4~5/17の50%押し、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

12:06 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想