「110円ラインの重さ」が意識されるも、「にわか上値期待」は後退…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/05/11 10:57

◆またしても“ワンタッチ⇒反落” - 110円ライン巡る攻防戦

※ご注意:予想期間は5月12日と表示されていますが、本日(5月11日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「にわか上値期待」が台頭する時というのは、得てしてこんなもの…。


2度目の“110円トライ”こそ見られたものの、またしても“ワンタッチ⇒反落”となりました。
弱めの米消費者物価指数(CPI)も“米金利先高観緩和⇒ポジション調整”を誘った感があり、米10年債利回り低下と共に109円前半へと押し戻されていきました。
それでも“米金利先高観緩和”は“NYダウを後押しする要因”でもあることから、109円を割るような崩れにつながるようなことはありませんでした。

◆「110円ラインの重さ」が意識される…?

“2度の上値トライ失敗”というのは、目先は「110円ラインの重さ」が意識されやすくなった可能性を示すものです。
週末でもありますので、「3度目の上値トライ機運」は高まりにくいと考えるが自然ということでもあります。

◆ただし「にわか上値期待」は後退…!?

ただし後押しした昨日の米CPIというのは、あくまでも“米金利先高観緩和”であり、決して“米金利先高観後退”ではありません。
このため「米10年債利回りは高止まり」「NYダウは堅調推移」を期待することが可能な状況下、それでいながら「にわか上値期待」は後退した格好になります。

オーダー状況を見ると“109.10-00円にドル買いオーダー/109.60-70円にドル売りオーダー”が展開していますので、本日に関しては「この範囲内で膠着」と見るのが無難かもしれません。
それでもそしてだからこそ、「にわか上値期待」が後退した状況では、「押したところはしっかり拾っておく」を主体で考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.031(5/2高値、5/10高値、1/8~3/23の61.8%戻し、大台)
上値4:109.837(ピボット1stレジスタンス)
上値3:109.697(5/10高値後の61.8%戻し、日銀短観想定レート)
上値2:109.600(5/10高値後の50%戻し)
上値1:109.509(100週移動平均線、5/10高値後の38.2%戻し)
前営業日終値:109.394
下値1:109.300(5/10安値、日足・一目均衡表転換線、週足・一目均衡表基準線)
下値2:109.125(ピボット1stサポート)
下値3:108.995(5/9安値、大台)
下値4:108.832(5/8安値、ピボット2ndサポート)
下値5:108.753(5/7安値、20日移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:14 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想