そろそろ“上値の重さ”が意識されそうも、“大きく崩れるは期待薄”…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/04/25 12:01

◆意外とあっさり… 109円回復

※ご注意:予想期間は4月26日と表示されていますが、本日(4月25日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


もう少し手こずるかと思っていた“テクニカル的要所(109円ライン)の攻略”でしたが、意外とあっさり上回りました。

“米中貿易戦争懸念/北朝鮮情勢”が緩和する中、“原油高によるインフレ懸念”が重なったことが、主な要因と見られます。
これに昨日発表された米経済指標が“軒並み事前予想を上回る”が後押しとなり、米10年債利回り(米長期金利)が“2014年1月9日以来の3.00%乗せ”を達成しました。
この流れの中でドル円は、2月9日以来となる109.20円水準まで上値を伸ばしています。

一方で金利上昇は“世界的な株安の連鎖”を引き起こしかねない要因でもあり、“慎重姿勢”は変わっておりません。
昨日のNYダウが一時△600ドル超(引けは△424ドル)の続落を見せたこともあり、108円後半へと押し戻されて昨日の取引を終えています。

◆“株安の連鎖”に対する懸念が拭えない以上…?

基本は“米10年債利回り動向”と考えるものの、“株安の連鎖⇒リスク回避⇒円買い”への懸念が拭えない以上、“株安連鎖の有無”も睨みながらということになります。
ただし昨日のNYダウ急落は“金利上昇”を意識したというよりも、“個別材料(キャタピラー等の業績悪化&アルファベット株下落に伴うハイテク株全体への波及)”の影響が大きいと見られます。
つまり本日に関しては、「“株安の連鎖”につながるかは微妙」といわざるを得ないことになります。

◆それでも“下値が支えられる”は十分…!?

それでいて本日は“4月最後の5・10日”であり、また“スポット取引の月末最終応当日”にも当たります。
「実需絡みのドル買い手当ては遅れている」と考えれば“下値が支えられる”可能性は十分であり、“米10年債利回り”も相変わらず堅調な推移を続けています。

“テクニカル的な要所(109円)”に到達したことで、一旦は“上値が押さえられやすい”という局面は挟むでしょう。
しかしキッカケとなった“1/26安値(108.277円)”を明確に割り込まない限り、“大きく崩れるは期待薄”…?

「108円後半で膠着(一服)」を基本とし、「やや利益確定売り先行」も視野に入れつつも、「大きな流れは変わらない」と考えて対峙したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:109.683(週足・一目均衡表基準線)
上値4:109.457(100週移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:109.298(2/9高値)
上値2:109.203(4/24高値、日足・一目均衡表先行スパン上限、ピボット1stレジスタンス)
上値1:109.000(大台、100日移動平均線、1/8~3/23の50%戻し水準)
前営業日終値:108.808
下値1:108.543(4/24安値、ピボット1stサポート)
下値2:108.277(旧上値抵抗ライン《1/26安値》、4/17~4/24の38.2%押し)
下値3:108.191(ピボット2ndサポート))
下値4:108.044(4/17~4/24の50%押し、大台)
下値5:107.840(ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

12:31 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想