相場展望と今週の注目銘柄はこれだ!

著者:出島 昇
投稿:2017/12/29 21:09

(6674)ジーエス・ユアサ コーポレーション

 四季報によると、主力の車載用は新車向け増加、パナソニックからの事業譲受も通期寄与。だが想定超える原料の鉛高騰が打撃。のれん償却あり一転減益。19年3月期は車載用続伸、鉛高は売価に徐々に反映。微増益。PHV・EV向けにリチウム硫黄電池を開発、20年代の実用化狙う。安全性や急速充電で秀でた全固体電池は、課題の大気安定性を改善し早期実用化へ。

 10月30日発表時点。2018年3月期本決算予想は、2017年3月期比で営業利益+3.9%の240億円、経常利益-0.2%の225億円と小幅の増収・減益の見通し。

 材料:電気自動車関連、鉛蓄電池、世界2位。リチウムイオン電池大手。

 2012年11月14日の291円を安値にアベノミクス相場にサポートされて上昇トレンド(A)を形成し、この中で2014年7月23日の747円の高値をつけました。ここから調整入りとなって上昇トレンド(A)を切り、2015年1月16日の476円の安値をつけて、3月13日の586円まで自律反発のあと、下降トレンド(B)へ移行しました。この下降トレンド(B)の中で2016年6月24日の365円で底打ちとなって上昇トレンド(C)へ転換しました。この上昇トレンド(C)の中で2017年3月6日の548円まで上昇後、6月23日の482円まで押し目を入れ再上昇となって10月4日の608円の年初来高値を更新後、10月31日に567円で短期の売転換となって押し目を形成しています。
 

 

(5453)東洋鋼鈑

 四季報によると、鋼板は缶用が足踏みだが、電気・電子部品が拡大。磁気ディスクなど機能材関連の受注増。原材料高だが生産性向上効き利益急反発。環境対策費用特損。19年3月期は、電子部品など鋼板や機能材の需要増勢で連続増益。トルコ持分会社も改善。プレス金型など機械事業は人事など体制刷新、早期採算改善を目指す。17年5月稼働のトルコ持分は品質向上に傾注。

 10月27日発表時点。2018年3月期本決算予想は、2017年3月期比で営業利益+108.6%の60億円、経常利益+82.4%の34億円の増収・増益の見通し。

 2014年11月4日の658円を高値とする三角保ち合い(A)の中で、2015年6月23日の640円の高値から急角度の下落(B)となって9月29日の342円まで下げ、ここから12月3日の455円まで反発したあと下降トレンド(C)へ移行しました。この下降トレンド(C)の中で2016年7月8日の231円で底打ちとなって急角度の上昇(D)となり、2017年3月2日の489円まで上昇しました。ここから4月17日の350円まで押し目を入れて、ややゆるやかな上昇トレンド(E)へ移行しています。この上昇トレンド(E)の中で9月14日の554円と年初来高値を更新したあと、12月4日の446円まで押し目を入れ12月22日に481円で買転換となっています。
 

 

(4022)ラサ工業

 四季報によると、半導体向け高純度リン酸の数量、期ずれした機械の採算が想定以上。レアメタル市況改善も電子材料の在庫評価にプラス。純益は税効果あった前期に接近。19年3月期は高純度リン酸の増で償却吸収。中国企業の淘汰と化合物半導体の需要増で市況はトンネルをやっと抜けた感。高純度リン酸は大阪、台湾の設備更新による生産効率化が19年3月期本格化。

 11月13日発表時点。2018年3月期本決算予想は、2017年3月期比で営業利益は+29.5%の21億円、経常利益は+41.6%の19億円の増収・増益の見通し。11月6日時点で8月10日時点の営業利益+4.8%の17億円、経常利益+4.3%の14億円からともに大幅上方修正。

 2013年9月26日の2810円(併合前281円)を高値に下降トレンド(A)へ転換し、この中で2014年5月21日の1180円(併合前118円)まで下落後、安値を1180円、高値を1590円とするボックス相場(B)となっていたものの、いったん下放れし2016年6月27日の890円(併合前89円)で底打ちとなりました。ここから上昇トレンド(C)へ転換し、この中で2017年11月22日の2470円と年初来高値を更新したあと、12月5日の2100円まで下げて12月26日に2213円で買転換となっています。
 

 

(6955)FDK

 四季報によると、電子はコイルデバイスが車載やLED照明向け堅調。リチウム電池もスマートメーター向け増。だがアルカリ乾電池はOEM向け低調、下期挽回で補いきれず。営業黒字化幅は縮小公算。19年3月期はニッケル水素やリチウム電池着実。高機能のDC‐DCコンバーターを17年11月サンプル出荷。業務効率化に向けアルカリ乾電池製造の子会社を合併。

 10月25日発表時点。2018年3月期本決算予想は、営業利益は14億円の黒字転換、経常利益は7億円の黒字転換の見通し。4月27日時点、7月26日時点の予想と変わらず。電気自動者関連。

 2012年11月15日の58円を安値にアベノミクス相場にサポートされて上昇トレンドを形成。この中で2014年1月9日の282円を天井に、7月9日の260円を2番天井として下降トレンド(B)へ転換し、上昇トレンド(A)を下に切る。この下降トレンド(B)の中で2016年7月8日の73円で底打ちとなり、上昇トレンド(C)へ転換し、2017年4月17日の104円を安値に急騰となって9月28日の320円、10月19日の328円と2点天井となって反落し、11月15日の202円を安値にもみあっているところです。
 

 

(6493)日鍛バルブ

 四季報によると、稼ぎ頭の中空エンジンバルブが国内で堅調。海外は中国、ベトナムでも受注増。だが台湾、インドネシアで失速、北米も落ち込む。人件費増と施設増強に伴う減価償却費の大幅増で営業減益。19年3月期は中空エンジンバルブの増産体制整う。17年10月、中国・山東省に子会社設立、小型エンジンバルブを製造・販売。排ガス抑制など環境対応舶用部品開発中。

 10月31日発表時点。2018年3月期本決算予想は、2017年3月期比で営業利益-18.2%の28.5億円、経常利益は-11.6%の32億円の見通し。5月12日時点、7月31日時点の予想を変わらずほぼ織り込み済み。

 輸送用機器:小型エンジンバブル。

 2012年11月15日の240円を安値にアベノミクス相場にサポートされて2013年5月10日の395円まで上昇後、6月27日の291円まで押し目を入れて、ゆるやかな上昇トレンド(A)へ移行し、この中で2014年11月13日の315円を安値に急騰して2015年7月14日には539円まで上昇しました。ここをピークに下降トレンド(B)へ転換し、この中で2016年4月8日の261円で底打ちとなりました。ここを安値に上昇トレンド(C)へ移行し、2017年10月31日の427円の高値をつけて反落となっています。10月31日の決算発表で上方修正の期待があったところ7月31日時点と変わらなかったことが失望となっているようです。しかし割安株ですので、下値が確認できれば戻りが期待できます。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム