相場展望と今週の注目銘柄はこれだ!

著者:出島 昇
投稿:2017/11/10 20:42

(6773)パイオニア

 四季報によると、CATV事業譲渡で売上剥落も原価率良化。国内は下期に大画面ナビ等新規品牽引。北米・ASEANはスマホ連携市販カーオーディオ投入、OEM寄与。ただ全般に年末商戦に懸念。前号比増益幅縮小。2月に市販向け生産開始したメキシコ工場は、来期は北米向けOEM生産始動、現地部品の割合を高める。独ヒア社と共同開発の高精度地図は来期国内に投入。

 8月7日発表時点。2018年3月期本決算予想は、2017年3月期比で営業利益は+140%の100億円、経常利益は未定。当期利益は35億円の黒字転換。

 カーナビを展開し、若者中心に根強い人気の老舗・業績低迷から無配が続いているが黒字化も定着してきており。復配は近いかも。決算発表直前であり、発表を確認して買うか、それとも損切りポイントを決めて買いのか投資判断するところ。時々急騰する銘柄。

 2014年9月3日の352円の高値から2015年8月25日の203円まで下落したあと急騰となって11月30日の392円まで上昇。ここをピークに下降トレンド(A)入りとなり、この中で2016年7月8日の162円、8月3日の178円と2点底をつけて、今年の1月6日には269円まで戻し再下落となって4月28日の198円まで下げてもみあい、9月8日に197円とダブル底のような形となって反発し、10月24日に222円で買転換となっています。ただし、現時点では下降トレンド(A)にアタマを抑えられており、上放れを待っている状況。決算発表待ちです。
 

 

(6413)理想科学工業

 四季報によると、インクジェット本体と消耗品は中国、欧州で新製品投入が本格化。国内も採用企業増加で続伸。孔版は先進国で伸び悩むがアジアでは堅調。研究開発費削減。広告宣伝費や償却負担減少もあり営業増益。Tシャツ用の印刷に使用するデジタルスクリーン製版機開発し米国で拡販。薬品不使用、省電力、洗浄工程不要が特徴。来期中につくば市に研究施設を開設。

 11月2日発表時点。2018年3月期本決算予想は、2017年3月期比で営業利益は+10.2%の44億円、経常利益は+6.6%の44億円の増収・増益に回復。5月9日時点、7月31日時点の予想と変わらず。

 2015年8月6日の2724円を高値に下降トレンド(A)へ転換。2016年2月12日の1465円の安値をつけて、3月22日の1848円まで上昇するものの、もみあったあと再び下降トレンド(B)へ移行しました。この下降トレンド(B)の中で2016年7月8日の1258円で底打ちとなり、上昇トレンド(C)への転換となりました。この上昇トレンド(C)の中で今年の7月31日に2377円まで上昇し、ここを目先のピークにして9月6日の1988円まで押し目を入れ、小さな三角保ち合い(D)を形成して上放れの動きとなっています。
 

 

(5302)日本カーボン

 四季報によると、太陽電池や半導体向けにファインカーボンが堅調。リチウムイオン電池負極材が車載向けに拡大。黒鉛電極は当初想定ほど価格下がらず。在庫評価損なく、償却費減少。原価低減進捗もあり黒字幅拡大。18年12月期は黒鉛電極の市況回復が効く。 子会社の航空機エンジン向け炭素製品の第2工場は18年から本格出荷へ。ファインカーボンは欧州市場の拡充継続。

 10月30日発表時点。2017年12月期本決算予想は、2016年12月期比で営業利益は13億円の黒字転換、経常利益も14億円と黒字転換の予想です。2月10日時点、4月28日時点では営業利益は10億円、経常利益は11億円の黒字転換の予想でしたが8月4日時点で13億円と14億円に上方修正となりました。

 2015年4月13日の4500円(併合前450円)を高値とする下降トレンド(A)の中で、2016年2月12日の1590円(併合前159円)、8月19日の1560円(併合前156円)とダブル底に近い形となって上昇トレンド(B)へ転換しました。この上昇トレンド(B)の中で上昇が続き、先月の10月16日の5160円、10月31日の5160円とダブル天井となって11月6日の4640円で売転換となりました。目先調整入りの可能性が高く大きな押し目を待つスタンスとなります。
 

 

(2491)バリューコマース

 四季報によると、ヤフー出店者向けCRMツールの需要開拓が進捗。主柱の成果報酬型広告は金融関連の大口案件剥落でも、粗利よい案件の比率拡大し営業益急反発。18年12月期もCRMツール伸長。減損特損見込まず。商材ごとに別だったマーケ・プロモ部門を一元化、共通する顧客への対応力底上げ。アフィリエイトでは運用簡便化、メンテ不要化などの付加機能を続々投入。

 10月21日発表時点。2017年12月期本決算予想は、2016年12月期比で営業利益+106.1%の19億円、経常利益+91.8%の19.2億円の増収・増益の見通し。4月26日時点、7月26日時点の営業利益は+19.3%の11億円、経常利益は+9.9%の11億円からそれぞれ19億円、19.2億円へ上方修正。

 2014年7月10日の1060円をピークに8月8日の770円まで急落後、8月20日の865円まで反発したあと下降トレンド(A)へ移行。この下降トレンド(A)の中で2016年2月12日の295円、11月9日の316円と2点底をつけて上放れし、上昇トレンド(B)へ転換しました。この上昇トレンド(B)の中で10月4日の900円、10月13日の921円、10月30日の889円と三尊天井となって10月30日に803円で売転換となっています。
 

 

(3401)帝人

 四季報によると、年初買収の米国CSP通期連結、のれん償却先行。医薬品で痛風治療剤の販売拡大、導出一時金入る。在宅医療は前期に赤字の米国撤退。アラミド繊維が自動車用途で好調、炭素繊維も出荷増。PC樹脂等で構造改革効果。税効果の特殊要因ない。炭素繊維は現在、日・欧に生産拠点。自動車や航空機での採用にらみ、米国に新工場を建設へ。今期中に詳細決定。

 11月7日発表時点。2018年3月期本決算予想は、2017年3月期比で営業利益は8月1日の+13.3%の640億円から+20.3%の680億円へ、経常利益は+16.2%の650億円から+21.6%の680億円とともに上方修正へ。

 現在は2012年11月13日の780円(併合前156円)を安値とするアベノミクス相場の中長期上昇トレンド(A)の中にあります。この中で2015年6月24日の2495円(併合前499円)まで上昇し、ここでいったんピークとなり、2016年6月24日の1645円(併合前329円)まで下げて底打ちとなり、今年の1月6日に2468円の戻り高値をつけました。ここから6月7日の2022円まで押し目を入れ、短期の上昇トレンド(B)を形成し、11月7日の2498円となって2015年6月24日の2495円をザラ場で更新しました。形としては1665~2456円のボックス圏(C)をわずかにぬけてきました。押し目買い有利の形です。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム