このところ、やや景気に不透明感が出始めています。春闘も去年までとは違って、大企業でも慎重な数字となっています。
23日に政府が公表した3月の月例経済報告でも、5カ月ぶりに下方修正しています。国内景気の景気判断は、2月には「このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」でしたが、3月には「このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」としました。個人消費や企業収益の判断が下振れしています。
実際、小売業や外食産業の月次データにもそれは表れ始めています。特にここにきては、企業間の差が顕著に見られるようになっています。ここ1、2年は消費者も値上げを受け入れていましたので、各社客単価が上がっていました。そのため、客数が減っても既存店売上高が増える会社もあり、全体として好調でした。
しかし、値上げも一巡し始めて、本来の実力である客数を増やせるかどうかで、大きな差が出始めています。表は2月の小売り、外食の既存店売上高、客数、客単価を示したものです。上段が好調企業、下段が不調企業です。セリアは100円ショップですので、一応客単価の変動をゼロと考えて、売上高=客数と考えました。
この表からも明らかなように、売上高が増えるかどうかは、客数が増やせるかどうかにかかっています。
さて、今回はこの中から、クスリのアオキ(3398)を取り上げます。同社はドラッグストアですが、食品の扱いを増やして、集客力を高めています。食品を増やすと買い合わせもあり、客単価も増えています。また、調剤薬局を併設して、小商圏でも勝ち残れる強い店舗づくりを行っています。
このところ10%前後の既存店伸び率と、二ケタの出店増で、年率20-30%で売上高、営業利益が成長しています。
比較的新業態であるドラッグストア業界は、M&Aも絡めて、戦国時代の様相を呈しています。その中で、独自モデルで展開する同社は、将来的にはドラッグストア市場において覇権を獲得する可能性を秘めた会社と考えられます。
なお、詳細はこちらのレポートをご覧ください。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/923
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