7月25日付の日経紙に『小売株「成長」に舞う』という記事が掲載されていました。その記事によると、小売株において年初からの株価上昇率とPERの関係を見ると、PERが高い株ほど株価上昇率が高くなっているということです。PERが高いということは、市場が成長性を高いと見ているわけですが、一部銘柄ではすでにPERが東証1部平均の17倍強を大きく上回る30-50倍となっており、割高感が強いのではないかとしています。
この背景にあるのが、2008年の金融危機の苦い記憶であり、当時の主力であった自動車や電機の業績悪化でファンドのパフォーマンスが大きく悪化した経験が影響しているという見方です。外部環境を見れば、中国景気の実態が不透明であり、米利上げも見込まれることから、リスクを回避したいという意向が働いていると見ています。
一方で、「成長性のない内需株」でも海外ウエイトが20%を超えると、「海外で成長できる株」とイメージが変わり、高いプレミアムが付き易いという見方もしています。それがユニクロや良品計画の高PERにつながっていると見ています。
しかし、人口減少だけはいかんともしがたいものの、有効求人倍率の上昇を背景に所得に下げ止まり感があり、資産効果はむしろこのところプラスサイドに働き始めています。輸出企業の海外移転も円安効果で歯止めがかかり始めました。これらのマイナス縮小に加えて、内需にはいくつかのプラスサイドの要因が頭を持ち上げてきています。
インバウンド需要の増加はこれまでにもあちこちで散々言われてきましたが、実は意外と気づかれていないものに団塊の世代以上の高齢者層の消費意欲の回復があります。あまりにこの20数年間、消費を抑制しすぎましたが、実はこれらの世代は貯蓄も豊富です。しかし、バブル崩壊に対して20数年間身構えているうちに、だんだんと余命も残り少なくなり、そこまで残しておいても意味がないと感じ始めているようです。
昨今、所得環境は多少良くなっているとは言うものの、現役世代が実感できるような変化ではない中、消費税増税にもかかわらず、意外に低価格業態が不振で、ややぜいたく品が堅調です。これはまさに高齢層による、貯蓄取り崩しの結果ではないかと思われます。
つまり、これまで株式市場は、内需は低成長で、外需を取り込める企業でなければ成長できないとみていて、内需企業であると成長していても低バリュエーションで評価してきました。実は今やそれ自体がおかしいのではないかと考えられます。
そんな背景を含めて、まだまだ割安と思われる内需株としてニトリホールディングス(9843)の分析を行いました。詳細はこちらからダウンロードできます。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/878
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