小次郎講師のボリンジャーバンド解説その10、「%bチャート!」後編

投稿:2015/06/01 14:21

「コジテク(小次郎講師の使えるテクニカル分析講座)実践編」第61回、そして第2部第16回!


□皆さん、こんにちは、小次郎講師です。


■助手のムサシです。よろしくお願いします。

□今日はボリンジャーバンドの10回目。ボリンジャーバンドの「%bチャート」の後半

■よろしくお願いします。その前に・・・まずは講師のセミナー報告!今回はなんと大阪でボリンジャーバンドの徹底解説をされるんですね?大阪の方、見てますか-。

□今回も3時間の徹底セミナー。しかも無料。ボリンジャーバンドに興味のある方は是非。詳細は業者の方にお問い合わせを。

◆小次郎講師の投資学校
6月6日(土)大阪
主催:岡地株式会社
「ボリンジャーバンド徹底研究」
https://www.okachi.jp/seminar/detail20150606o.php

 

1、バンドウォークとは?

■本日は確か「バンドウォーク」からでしたね?

□バンドウォーク知ってるか?

■聞いたことはありますが、意味はちょっと。

価格変動の中でもっとも美味しいところをボリンジャーバンドで浮き彫りにさせたものがバンドウォークだ。

■講師が美味しいところと言うのはもっとも安定したトレンドと思えばいいですか?

□そして長続きするトレンドのこと。この図を見てご覧。

※図1
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□この楕円の○で囲まれているところがバンドウォーク。

■赤い(中は黄色の)○が上昇のバンドウォーク、青い○が下降のバンドウォークですね。

□このバンドウォークにはどんな特徴がある?

■上昇時は+1シグマと+2シグマの間を中心にして上昇していますね。下降時は-1シグマと-2シグマの間を中心に下がっているような気がします。押しや戻しが入っている局面ではミッドバンド近くまで押してますが。

□もう少し正確に言うと、+1シグマと+2シグマの間の+2シグマよりを中心にしてウェイブしながら上昇しているのが上昇のバンドウォーク、-1シグマと-2シグマの間の-2シグマよりを中心にしてウェイブしながら下降しているのが下降のバンドウォーク。

【バンドウォーク】
・+1シグマと+2シグマの間の+2シグマよりを中心にしてウェイブしながら上昇しているのが上昇のバンドウォーク
・-1シグマと-2シグマの間の-2シグマよりを中心にしてウェイブしながら下降しているのが下降のバンドウォーク
・ボリンジャーバンドが示す、最も安定して長続きするトレンドのこと。

■上昇のバンドウォークはやや+2シグマより、下降のバンドウォークはやや-2シグマよりなんですね。

□後で詳しく説明するがそういうこと。ということはだ。その+2シグマよりを中心にウェイブしていたら時々は+2シグマを超えるよな?逆に-2シグマよりを中心にウェイブしていたらときどきは-2シグマを割れてしまう。

■でしょうね。

□だから、+2シグマを超えたら売りサインだとか、-2シグマを超えたら買いサインだとかいう話がボリンジャーバンドの売買サインとして一般に広まっていることがびっくりだ。

■もみあい中なら、確かにそうなりますけどね。

□もみあい中ならね。ところが、バンドウォークのような安定上昇中にしばしば+2シグマを超える。ここで売ったらとんでもないことになる。なにしろ長続きする上昇なのだから。同様に安定下降のバンドウォークの中でしばしば-2シグマを割り込むことになる。ここで買うとこれまた大失敗だ。

■確かに。

2、バンドウォークの仕掛けと手じまい

□前に(第58回で)ボリンジャーバンドの仕掛けのポイントを勉強したよな。

スクイーズの後の上限タッチで買い、下限タッチで売るというやつですね?

□そう。スクイーズの後に+2シグマに達することを上限タッチと呼ぶ。逆に-2シグマに到達することを下限タッチと呼ぶ。これがボリンジャーバンドの一番の仕掛け時だが、その後にバンドウォークにつながるケースが多い。

・スクイーズ→上限タッチ→上昇のバンドウォーク
・スクイーズ→下限タッチ→下降のバンドウォーク

■これは最強ですね。

□下図を見てごらん。

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□①のスクイーズの後に②のバンドウォーク、③のスクイーズの後に④のバンドウォーク、⑦のスクイーズの後に⑧のバンドウォークが発生しているのがよくわかる。

■なるほど。でも⑥のようにスクイーズなしで、バンドウォークしていることもありますし、⑤のようにスクイーズしてもバンドウォークにつながらないケースもありますね。

□もちろん、必ず、スクイーズとバンドウォークがワンセットになっているわけではない。しばしばそうなるというだけ。バンドウォークの仕掛けはバンドウォークを発見したらそれに乗っかるということ。

■乗っかるんですね。でも終盤だと終わってしまう。


□だから、ロスカット注文をしっかりと出して乗っかるということだね。でないと、大きなトレンドがあったのにタイミングを逸したために指をくわえて見てましたという話になる。

■よくあります。

□バンドウォーク中の仕掛けとしては、上昇のバンドウォークの押しが通常だと+1シグマラインまで、深い押しだとミッドバンドまで押すという特徴がある。下降のバンドウォークなら通常-1シグマライン、大きな戻しだとミッドバンドまで。だから、+1シグマラインまで押して戻し始めたバンドウォークや、ミッドバンドまで深押しして戻し始めたバンドウォークを見つけたら、押し目買いのチャンスとなる。

-1シグマラインまで戻して再下降を始めたバンドウォークや、ミッドバンドまで大きく戻して再下降を始めたバンドウォークが戻り売りのチャンスというわけですね。

□だね。バンドウォークはボリンジャーバンドが教えてくれる一番美味しいところ。だから逆に言うと、ここはしっかりと取らなければいけない。

■バンドウォークの終了は何で判定しますか?

□ミッドバンドクロス。しかも、瞬間クロスしたというのではなくて、はっきりとクロスしたというのが大事。

■ひげがちょっとクロスしましたという程度は無視していいということですね。

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■そうだ。バンドウォークの始まりはやはり上昇のバンドウォークなら上限タッチ、下降のバンドウォークなら下限タッチ。そして終了はどちらもミッドバンドクロス。

【バンドウォークの始まりと終わり】
上昇のバンドウォークは上限タッチで始まり、ミッドバンドクロスで終わる。
下降のバンドウォークは下限タッチで始まり、ミッドバンドクロスで終わる。

3、バンドウォーク中の%bは?

□今度はこちらの図を見てごらん。

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■これは何の図ですか?

□典型的な値動きを使って、ボリンジャーバンドがどう動くかを検証したもの。こういうことをするとテクニカル指標の特徴がよくわかるので、私はいろいろな指標でやっている。

■さすがです。

□この図は価格が1000円から毎日10円ずつ上昇し、1500円で天井を打つ。その後、毎日10円ずつ下降し、1000円まで下がるという値動きを仮想する。

■上記図の黄色い□をつないだ線が価格ですね。

□そうだ。そして、そのときにボリンジャーバンドの各線がどう動くかを見てみるといろいろな発見がある。

■ボリンジャーバンドってバンドの間隔が広がったり狭まったり、各線も上を向いたり下を向いたり、いろいろな動きをしますけど、こうやって基本的な値動きで描いてみると5本の線は平行に上がって平行に下がってますね。

□だね。そして上昇から下降へ変化するときに、スクイーズが起こっている。

■確かに。

□そして、スクイーズの後に下限タッチをしているのがわかるかな?

■ほんとだ。こんな典型的動きのときもきちんとスクイーズや下限タッチが起こるんですね。

□当たり前だ。基本パターンで起こらないことは本物ではない。さて、この図を見て、価格の動きをよく見てごらん。価格はバンドの中のどの部分を動いている?

■えーと、上昇のときは+1シグマと+2シグマの間ですけど、+2シグマ寄りですね。+2シグマのすぐ下を+2シグマに沿って上昇していると言ってもいいくらいです。下降のときは-1シグマと-2シグマの間ですけど、-2シグマ寄りですね。-2シグマのすぐ上を-2シグマに沿って上昇しています。

□だね。この安定上昇、安定下降がバンドウォークだ。するとバンドウォークはスクイーズがあって下限タッチがあってそして始まるということがよくわかる。

■バンドウォークが始まってしまえば-2シグマに沿った動きになると。

□実際の値動きでは、ここを中心にウェイブでの動きになるけどね。

■上昇はこの逆にスクイーズがあって、上限タッチがあってそこから始まると。


□こういう典型パターンを図にするとわかりやすいだろ。で、ここからがポイント。この典型パターンを作って安定上昇時の%b、安定下降時の%bを計算してみた。

■なるほど。

□すると2つの数値にたどり着いた。安定上昇のときの%bは91.2%、安定下降のときの%bは8.8%。

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■常にその数値になるんですか?

□安定上昇のパターンをいろいろと試してみて、1日の上昇幅をさまざま変化させてみたが、毎日一定幅の上昇、その後一定幅の下降というパターンでは必ず、上昇時の%bが91.2%、下降時の%bが8.8%となる。

■なるほど。上昇のバンドウォークは%b91.2%位置を中心に上昇。下降のバンドウォークは8.8%位置を中心に下降と書くのが正しかったんですね。

【正確なバンドウォークの中心】
・上昇のバンドウォークは%b91.2%の位置を中心に安定上昇。
・下降のバンドウォークは%b8.8%位置を中心に安定下降

□下の図は最初に見せた図1に%bチャートを付けたもの。

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□バンドウォークしているところを%bチャートで見てみると、確かに上昇のバンドウォークは91.2%を中心に動いている。下降のバンドウォークは8.8%を中心に動いているというのがよくわかる。

■緑色の点線が%b、91.2%と8.8%の位置ですね。確かにそこが中心になってますね。図で見るとわかりやすい。

□ということで本日はここまで。ミッドバンド、バンドワイズチャート、%bチャートを究めることでボリンジャーバンドの全体像が見えてきた。ボリンジャーバンドの理解が大きく前進したと思う。後一歩。

■楽しみです。

□それではまた次回!

今日のまとめ

・価格変動の中でもっとも美味しいところをボリンジャーバンドで浮き彫りにさせたものがバンドウォーク

・+1シグマと+2シグマの間の+2シグマよりを中心にしてウェイブしながら上昇しているのが上昇のバンドウォーク、-1シグマと-2シグマの間の-2シグマよりを中心にしてウェイブしながら下降しているのが下降のバンドウォーク。

・スクイーズ→上限タッチ→上昇のバンドウォーク
・スクイーズ→下限タッチ→下降のバンドウォーク

・バンドウォークの仕掛けはバンドウォークを発見したらそれに乗っかるということ。

・+1シグマラインまで押して戻し始めたバンドウォークや、ミッドバンドまで深押しして戻し始めたバンドウォークを見つけたら、押し目買いのチャンスとなる。
・-1シグマラインまで戻して再下降を始めたバンドウォークや、ミッドバンドまで大きく戻して再下降を始めたバンドウォークが戻り売りのチャンス。

【バンドウォークの始まりと終わり】
・上昇のバンドウォークは上限タッチで始まり、ミッドバンドクロスで終わる。
・下降のバンドウォークは下限タッチで始まり、ミッドバンドクロスで終わる。

【正確なバンドウォークの中心】
・上昇のバンドウォークは%b91.2%の位置を中心に安定上昇。
・下降のバンドウォークは%b8.8%位置を中心に安定下降。

□第2部第16回講義終了。

■「起立、礼!」

□本日の講義をマスターしたなら、単位を2単位差し上げよう。
本日の単位数2  累計単位数32
中級テクニシャンまで後68単位!

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配信元: みんかぶ株式コラム