相場展望と今週の注目銘柄はこれだ!

著者:出島 昇
投稿:2014/12/12 17:08

(5741)UACJ

 2013年古河スカイと住友軽金属が合併して誕生。
四季報2014年冬号によると、統合フル寄与。缶材やや弱いが、自動車・エアコン向けとも増税の反動が想定以下。厚板も半導体・LNG船向け拡大。物流効率化に、改善ノウハウの共有化効く。営業益伸長。前期の段階取得差益ない。
2012年10月11日の172円を底値に11月6日に206円で買転換となり、11月中旬からのアベノミクス相場にサポートされて上昇トレンド(A)を形成していました。この中で、今年の8月7日の484円の高値をつけて下落となり、上昇トレンド(A)を下に切って11月21日に325円の年初来安値をつけました。この背景は、10月31日に営業利益が上方修正されたものの、アルミ地金の在庫評価益の57億円を除くと実質下方修正であることを嫌気したものでした。ただ、先日はトヨタ自動車が17年から車体へのアルミニウムの採用を増やす方針の表明を受けて反発しており、見直し買いが期待できます。

5741UACJ

(4064)日本カーバイド工業

 四季報2014年冬号によると、機能製品は医薬品関連のファインケミカルが停滞だが、東南アの2輪車向け中心にステッカーが急回復。電子・光学はスマホやタブレット向けに反射シートが好調。ナフサ上昇等による価格転嫁が徐々に浸透。海外拠点のコスト削減もあり増益。
11月7日決算発表。7~9月期経常益は2.8倍の6.3億円。中間期は通期に対して進捗47%。
2012年9月12日の95円を安値に11月中旬からのアベノミクス相場にサポートされて暴騰となり、2013年7月8日には794円まで上昇、10ヶ月強で8.4倍化となりました。ここをピークに急落となり、9月2日の277円まで下落したあと9月19日の428円まで自律反発し、今年の5月12日の196円まで下げて安値圏での三角保ち合い(B)となっています。この三角保ち合い(B)の中で、5月12日の196円に対する2番底が10月14日の214円となって、12月8日に255円で買転換出現となっています。

4064日本カーバイド工業

(4229)群栄化学工業

 四季報2014年冬号によると、飲料向け異性化糖は用途拡大。フェノール樹脂は自動車関連低調ながら、液晶など電子材料向け伸長。建材向けは省エネ法改正での使用量増が下支え。同業買収で上乗せ。輸入原料高だが、対応値上げ浸透。営業益復調。税効果で純益膨らむ。
10月31日決算発表。今期業績見通し、増収・増益変わらず。原油価格の下落で化学セクターへの見直し買いの動きが出ており、割安・出遅れ感あり。
2012年11月15日の177円を安値に先細の上向き三角形(A)を形成し、アベノミクス相場にサポートされて、上放れ・急騰となり2013年7月11日の710円まで上昇しました。ここをピークに本格調整となって、今年の2月5日の357円、5月21日の333円、10月17日の306円と下向きの先細三角形(C)の中で3点底の形となり、10月31日に339円で買転換出現となりました。その後11月14日に350円まで上昇後はここをピークに狭いレンジでのもみあいとなっています。先細三角形(C)を上に抜けて350円を上回れば、一段高が想定されます。

4229群栄化学工業

(5803)フジクラ

 四季報2014年冬号によると、電線御三家の一角。独立系。フレキシブルプリント基板(FPC)で世界有数。NTTの光ケーブル厳しい。北米工事も遅れぎみ。が、FPCの旧型スマホ向け踏ん張る。新型でも複数のメイン納入先寄与。電装は下期に習熟効果出る。持分法会社のカルテル課徴金ない。小幅増配。
10月27日決算発表。7~9月期経常益は4%減の42.8億円。中間期は通期に対して進捗51%。
2012年7月26日の199円を底値に11月14日の211円を2番底としてアベノミクス相場がスタートし、①→②の上昇トレンドの中で、今年の1月17日の538円、7月29日の548円と2山形成したあと、7~9月期の経常益が▼4%の下方修正となったことで上昇トレンド②を下に切って11月21日の426円まで下落、ここから反発となって12月3日に466円で買転換となっています。下値を切り上げる上昇角度が①→②→③と緩くなっており、当面は高値圏でのボックス相場のような動きになる可能性があります。

5803フジクラ

(5702)大紀アルミニウム工業所

 四季報2014年冬号によると、KD輸出向けなど国内数量底堅い。2足元原料高止まりでも下期にかけ地金価格改善へ。インドネシア赤字縮小に加えタイも月次黒字化。ただルピアの動向なお不安定、第1四半期の為替差益は一時的。
2011年11月29日の397円の高値から下降トレンド(A)となって、1年後の2012年11月11日の185円で底打ちとなりました。ここからアベノミクス相場にサポートされて2013年5月20日の341円まで上昇し、押し目をつけたあと7月16日の345円と高値を更新するものの、ここが当面のピークとなり、9月20日の320円を戻り高値に中段もみあいで3尊天井となりました。今年の2月4日に233円、3月20日に232円の安値をつけて三角保ち合い(B)の煮詰まった形となり、短期の上昇トレンド(C)となって上放れ、11月16日には350円をつけて昨年の3尊天井の上値7月16日の345円を突破しました。押し目買い有利の形となりました。

5702大紀アルミニウム工業所

配信元: みんかぶ株式コラム