全部門で増収増益を達成
日銀の追加緩和発表以来、輸出比率が高い大手メーカーの四半期決算に注目が集まっているが、中でも期待にたがわぬ内容となったのがヤマハ発動機だ。14年12月期第3四半期決算では、マリン事業の好調とともに、同社の看板、二輪車事業も久々に大幅増益。今後の快進撃を予感させる結果となった。
純利益も36%増に上方修正
今14年12月期第3四半期累計連結決算は、売上高1兆1246億円(前年同期比7.3%増)、営業利益710億円(同68.4%増)、純利益525億円(同99.2%増)と好調だった。
これを受け、通期予想も上方修正。営業利益は830億円から860億円(前期比56%増)、純利益は500億円から600億円(同36%増)となり、いずれも2007年以降、最高の決算内容となる見込みだ。
マリン事業が北米市場で好調を維持。四輪ビークル「VIKING」の販売台数が急伸した特機事業、電動アシスト自転車「PAS」をはじめとしたその他事業も増収増益となった。
そして、満を持しての好結果となったのが同社の屋台骨、二輪車事業だ。アセアン市場こそやや苦戦したが、インド市場が成長し、日本や欧州を含む先進国市場も順調に回復。二輪車事業全体では、営業利益が前年同期比2.9倍の177億円となった。
この二輪車事業の好調は、12年に発表した中期経営計画に基づき、世界規模で進められる生産体制の最適化や、新商品開発の努力が結実したもの。
今後も3輪コミューター「TRICITY」や、スポーツバイク「YZF-R25」など、世界戦略車が続々本格稼働予定で、さらなる業績上振れも期待できよう。
株価は金融危機後高値更新
特筆すべきは、好決算の要因が、為替水準の是正によるものではないこと。同社は新興国での通貨安の影響もあり、今決算で4億円の為替差損を計上している。為替変動とは関係のない本来の実力値が表れたのだ。
それに加え、12月期末の配当を6円上積みしたこともプラス作用。株価は決算発表直後に年初来高値を大幅更新し、11月13日には08年2月以来となる2400円超えを果たした。
中期経営計画も極めて順調に進展するなど好材料が多く、今後は07年1月の高値3830円を目指す可能性が高い。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
---|---|---|---|
11年12月期 | 1,276,159 | 53,405 | 26,960 |
12年12月期 | 1,207,675 | 18,598 | 7,489 |
13年12月期 | 1,410,472 | 55,137 | 44,057 |
14年12月期 | 1,500,000 | 86,000 | 60,000 |
「YZF-R25」など世界戦略車を続々投入
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