先週土曜日(9月27日付)日経紙の一面に「イオン、営業益4割減(3-8月)」という記事が出ていまして、副題として「増税・悪天候で販売不振」とありました。
記事によりますと、イオンの2014年3-8月の連結業績は、消費税増税後の販売回復の遅れが響いて、営業利益が前年同期比4割減った模様ということです。競争激化、天候不順で鈍った客足を取り戻そうと値下げし、採算が悪化したということのようです。ダイエーを含む主力の総合スーパーは営業赤字(前年同期は110億円の黒字)になった模様ということでした。
小売り大手では、連結ベースでは営業増益となったセブン&アイ・ホールディングスでもイトーヨーカ堂は不振であったという記事も掲載されています。
イオンの場合、カードや銀行業務の金融事業は20%増益ということだが、メインビジネスの不振には目を覆うものがあります。
さて、日経の記事を読む限りは、消費税増税後に天候不順もあり、いかにも消費の調子が悪いというイメージになります。しかし、本当に消費は不振という日経のトーンは正しいのでしょうか。
実はこの記事を鵜呑みにしますと、実態を見間違うことになります。実際のところ消費増税後は好調企業と不調企業で極端に差がついています。当コラムで消費税増税前後にご紹介したニトリ(9843)、クスリのアオキ(3398)、ヤオコー(8279)などはその後も絶好調です。それぞれの参照記事になります。
クスリのアオキ:https://money.minkabu.jp/44358
ニトリ:https://money.minkabu.jp/44498
ヤオコー:https://money.minkabu.jp/44635
このように好調企業は探せばいくらでもあります。上の企業は推奨当時と比べますと、それぞれ大きく上がり、バリュエーションも高くなってしまいました。それでもクスリのアオキ以外はまだ買えるとは思いますが。
それでもどうせならまだあまり知られていない、バリュエーションも低い会社を探したいものです。
そんな会社の一つが神戸物産(3038)です。同社は外食産業用の業務スーパーをFC展開する食品卸売業の1社です。同社はかつて中国で製造する食材中心でしたが、冷凍餃子事件で痛手を受け、海外調達も分散化し、国内で生産から手掛ける事業も始めて、その危機を乗り越えました。
しかし、アベノミクスによる円安で価格転嫁が遅れ気味となり、2013年10月期の営業利益は半減してしましました。もっとも為替ヘッジをしていましたので、経常利益はそこまで落ち込みませんでした。そして、今期になると価格転嫁も徐々に進み始め、営業利益は場増ピッチで増加しています。
逆に経常利益はそこまでは増えませんが、それでも今期はゆうゆう過去最高益を更新しそうです。それにもかかわらず、PERは10倍を割っていますので、割安感はかなりあると言えましょう。
なお、より詳細な内容はこちらからご覧ください。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/803
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