PGMホールディングス(2466)

投稿:2014/09/01 10:28

業界生え抜きの新社長のもと
新規会員獲得を積極的に推進

 「昨年8月に発表した中期経営計画を踏襲しつつ、さらに肉付けをし、収益極大化を目指していくことが私の使命だと考えています」。

 6月に就任したばかりのPGMホールディングスの田中耕太郎社長は、社長として初めて臨んだ同社中間決算の席上、そう宣言した。

 国内128のゴルフ場を保有・運営する、このゴルフ場運営最大手企業の今回の決算発表は、2つの点で注目が集まった。一つはゴルフ人口の減少や単価の下落が止まらないゴルフ業界にあって、盟主の地位にある同社が現在、どのような事業の進捗を見せているのかという点。

 そしてもう一つは、アコーディア・ゴルフへのTOBを始め、大胆な施策の数々で話題を振りまいた前社長・神田有宏氏の後任である田中耕太郎社長が、今後、どのようなかじ取りをしようとしているのか、という点だ。

2Qはプレーフィーが上昇

 今回の発表によると、1~6月までの連結決算は、営業収益355億5400万円(前年同期比1.6%減)、営業利益38億2800万円(同10.5%減)。2月の大雪の影響が大きく、減収減益ながら、管理部門の効率化が奏功し、営業利益は従来予想の37億円を上回った。

 第2四半期だけで見れば、営業収益216億9400万円(前年同期比2.5%増)、営業利益48億1900万円(同11.8%増)と順調に推移しており、消費増税の影響を感じさせない結果となった。

 新規M&A、収益の極大化、会員満足度の向上の3本柱で進めている中期経営計画の進捗については、M&Aこそ「慎重に見極めながら良い案件を探している」(田中社長)ため3ゴルフ場の取得にとどまったものの、本社に価格戦略の専任者を配置するなど、徹底的な単価コントロールを推進した結果、第2四半期ではプレーフィーが、前年比で改善。また、積極的に取り組んだウェブ予約のシステムも本格的に稼働し、現在ではウェブを通じてのプレー予約が約40%を占めるまでになった。

 今後の事業展開について、田中社長は「収益の拡大と顧客満足度の向上を目指すために、改めて新規会員権の販売を拡大していきたい」と語った。

 近年、会員の高齢化に伴い、全国各地のゴルフ場はどこも会員減に頭を悩ましている。だが、「60歳以上のみならず、これから定年を迎える層にも、アクティブにゴルフを楽しみたいという方たちは多く、そうした潜在ニーズを掘り起こしていきたい」(田中社長)と意欲的だ。

 バンカー出身の前社長から、ゴルフ業界ひと筋の新社長へとバトンタッチした同社。経営合理化の成果と親会社・平和の盤石なバックアップ体制もあり、業界最大手企業としての土台は整った。今後、現場からの信頼が厚い田中社長のもと、潜在ニーズの掘り起こしに成功すれば、アベノミクスの順風を一身に受け、さらなる成長が期待できるだろう。

美浦ゴルフ倶楽部_No17ホール
茨城県にある美浦ゴルフ倶楽部

配信元: みんかぶ株式コラム