相場展望と今週の注目銘柄はこれだ!

著者:出島 昇
投稿:2014/09/05 17:27

(5007)コスモ石油

 四季報2014年夏号によると、石油開発は修繕費などコスト圧迫。石化も市況悪化で軟調。だが、石油製品が市場の需給改善受けマージン拡大。製油所稼働率も向上し採算急好転。前期在庫評価益161億円消えても営業益反発。
8月5日決算発表で、前回の5月13日の通期見通しと変わらず。配当は2円→4円に増額。
2011年2月22日の317円を高値に3月11日に東日本大震災が起こり、3月15日の180円まで急落。いったん反発するものの、その後は下降トレンド(A)を形成。この中で2012年9月6日の138円、11月2日の136円と2点底をつけ、中旬からのアベノミクス相場にサポートされて11月21日に155円で買転換となって急騰し、2013年5月14日の248円まで上昇しました。ここをピークに6月7日の165円まで押し目を入れ、その後戻したあと三角保ち合いを形成し、この中で今年の2月4日の175円、3月24日の175円のダブル底をつけて煮詰まり、5月22日に196円で買転換出現となりました。
5月29日は終値では197円となりました。その後は、翌日の5月30日の195円を安値にじり高となって6月23日に225円まで上昇し、その後じり安となって8月8日の193円まで下げてもみあっています。

5007コスモ石油

(5801)古河電気工業

 四季報2014年夏号によると、軽金属分離で減収減益に。国内ケーブル停滞、日光雪害も尾を引くが、車載ワイヤハーネス活発。液晶反射板の赤字幅縮小、光ケーブルの拠点統合効果も。収益上向く。営業外に軽金属の持分益乗る。
7月31日の決算発表では、5月9日の発表と変わらず、売上、経常益は前期比ややマイナス。
2011年2月8日の403円を高値に3月11日の東日本大震災で急落し、その後戻り弱く下降トレンド(A)を形成。この中で2012年11月9日の141円で底打ちとなり、中旬からのアベノミクス相場にサポートされて2013年5月22日の326円まで上昇しました。ここが戻り高値となって下落し、8月23日の194円まで下げたあと200円水準を下値抵抗ラインとする直角三角形の保ち合い(B)となっています。この中で、今年の1月21日の290円の高値から短期の下降トレンド(C)となって、5月21日の205円、8月8日の205円とダブル底となり、8月27日に225円で買転換となっています。大型株だけに全体の出来高が増加しなければ上値は限定的で、直角三角形(B)の上値斜線にアタマを押さえられる可能性が高いと思われます。そのまま上昇すれば見送りとなります。

5801古河電気工業

(3231)野村不動産ホールディングス

 四季報2014年夏号によると、住宅分譲は7000戸(前期比791戸増)と増勢でも建築費上昇響き利益の伸びいま一歩。東芝ビルはテナント移転の影響で賃料下向く。営業益高水準だがやや後退。減損特損減り最終は増益。増配。
7月30日の決算発表では、4~6月期経常利益は前年同期比39%減の109億円に縮小。但し、減損特損減り最終は増益で増配予想。
2012年11月13日の1378円を安値に、アベノミクス相場にサポートされて上昇トレンド(A)を形成。この中で、2013年5月13日の2779円の高値をつけて6月27日の1958円まで反発するものの、9月20日の2577円を戻り高値に下降トレンド(B)へ移行しました。この下降トレンド(B)の中で、今年の5月21日の1786円、8月14日の1752円と2点底をつけて9月2日に1941円で買転換し、下降トレンド(B)を上に抜けてきました。6月3日の2025円を終値で上回ると一段高が期待できることになります。

3231野村不動産HD

(4208)宇部興産

 四季報2014年夏号によると、目下収益柱のセメントは生産フル稼働続くも原材料高きつく横ばい。が、リチウム電池材料など機能品は販価低下を数量増が上回る。前期末の堺工場ナイロン原料生産停止で固定費も改善。営業益反発。
7月31日の決算発表では、増収・増益予想変わらず。
2012年3月19日の246円の戻り高値から大幅下落となって、7月24日の157円で底打ちとなりました。その後10月11日に158円でダブル底の形となって反発し、11月中旬からのアベノミクス相場にサポートされて2013年5月22日の241円まで上昇しました。ここから再下落となって6月14日の173円、9月2日の173円とダブル底をつけて再上昇となり、今年の1月17日の239円まで上昇しました。ここから三度の下落で昨年来安値を更新し、5月15日の163円、8月8日の165円とダブル底となって戻りを試す形となっています。業績に問題はないもののここまで大きく下げてきたのは、信用買い残が多く膨らんでいるところに全体の出来高が増加せず大型株が売られる傾向にあるため、信用買いの投げが出て下げてきたといえます。出来高が回復すればリバウンド狙いとなります。

4208宇部興産

(8078)阪和興業

 四季報2014年夏号によると、柱の鋼材卸は建築需要の活況や小口需要の掘り起こしで、数量増加。採算低い輸出も減る。北米向け食品卸や船舶用石油販売も順調増。連続営業増益。投資有価証券評価損ない。純益高水準で増配余地。
8月6日決算発表。4~6月期の経常利益は前年同期比7%増の37.7億円に伸びる。
2012年11月13日の250円を安値に上昇トレンド(A)を形成。この中で、今年の1月16日に576円まで上昇後、ここがピークとなって1月16日の576円、1月29日の542円、2月13日の524円と順下げの三尊天井の形となって大幅下落し、上昇トレンド(A)を切って4月11日の358円まで下落しました。この下げは、業績悪化というより割安株のため、信用買い残が膨らみ、需給関係から日経平均が大きく下落するときに投げが出て、連動して下げる形となっています。4月11日の358円をつけたあと三角保ち合いの中で三点底の形となりました。その後は6月13日に386円まで押し目を入れ、7月1日に449円まで上昇しましたが、その後は、じりじりと下げて押し目を作っていますので、買い有利となります。

8078阪和興業

配信元: みんかぶ株式コラム