伊藤園優先株(25935)

著者:有賀 泰夫
投稿:2014/06/05 10:43

このところ株式市場はやや明るい雰囲気が出てきました。しかし、株式投資においてはそういったなんとなくのムードで投資するのが一番リスクの大きい投資法です。常に好事魔多しというスタンスが、株式投資で着実に稼ぐこつです。

さて、2週間ほど前に絶好の投資タイミングとしてご紹介した伊藤園優先株(25935)、その後株価は底打ちから順調に上昇に転じています。この間に決算発表があり、ほぼ読み通りの数字だったのですが、前期、今期と1円ずつ増配を公表し、優先株の配当は今期50円の予想となっています。

実は同社はこの6年間、配当を据え置いてきました。同社では公約配当性向として40%を示していますが、実はこの間、40%よりずっと高い配当性向となっていました。これは2007年4月期が業績のピークで、2年ほど大きく悪化し、その後は順調に回復してきまして、前、今期でようやく2007年4月期の水準まできます。

つまりこの間、公約配当性向通りの配当であれば、いったん大きく減配してもおかしくなかったのですが、配当を維持しました。

しばしば、高配当利回り株が注目を集めます。特にNISA(少額投資非課税制度)が始まって、長期的に保有するのに適しているため、高配当利回り株がその候補となります。しかし、配当利回りが高い会社でもキャッシュリッチでないと、業績悪化で減配のリスクがあります。

実は特に高配当利回り株には、その時の業績が維持できないとマーケットが考えているゆえ、高配当利回りに見える株も混ざっています。

また、たとえキャッシュリッチであっても、配当性向自体が高いと、業績が多少良くなっても、増配の期待が持てません。

つまり、高配当利回り株でも、配当性向水準や、業績の先行きなどチェックすべき項目は多いのです。

その点、同社はようやく配当性向が公約水準まで下がってきましたので、今後利益が増えた分は配当に回りますので、今まではあまり期待できなかった増配がいよいよコンスタントに期待できるようになります。そういった面では、まさにNISAにうってつけの株になってきたと言えます。

なお、同社には普通株以外に普通株より配当が10円多い優先株がありますが、諸般の理由で実は普通株より安くなっています。また、優先株には投資を開始するタイミングもあります。

そのようなさまざまな要因を考えますと、今がその絶好のタイミングと言えるのではないでしょうか。

なお、同社なぜコンスタントに成長できるのか、なぜ優先株は有利なのに株価が安いのか、優先株を買うタイミングはなぜ今なのかなどなど同社の優先株の魅力を解説したレポートがこちらからダウンロードできます。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/753

配信元: みんかぶ株式コラム