電算システ Research Memo(9):デジタルサイネージやBPO業務で大型案件を獲得し、ストック収入の拡大は進捗

配信元:フィスコ
投稿:2018/03/12 15:45
■中長期の成長戦略と主な進捗

3. ストックビジネスの強化
電算システム<3630>は重点施策の1つに、“フロービジネスからストックビジネスへ”をスローガンにストックビジネスを強化し、ストック型収入の割合を80%超に高めることを掲げている。その具体的な進捗として、2017年12月期においてはデジタルサイネージの大型受注の獲得や、BPO事業における『郵便局みまもりサービス』の事務センター業務の受注があった。

デジタルサイネージは電子看板のことで、同社の中では情報サービスセグメントの中に含まれている。この分野で同社は、都営バスを運営する東京都交通局と、東京都の地下鉄を運営する東京メトロから、それぞれデジタルサイネージの受注を獲得した。

都営バスの案件はバスの車内のディスプレイを対象とするものだ。当初は150台を対象としてサービスがスタートし、その後新型車両の導入を機に順次拡大して2020年までに1,000台の都営バスにサービスを提供する計画となっている。一方、東京メトロの案件は駅構内のディスプレイを対象にサービスをするもので、当初は3駅・3パネルからのサービス開始となっている。これも効果の検証などを進めながら順次設置個所が拡大していくとみられる。

『郵便局のみまもりサービス』について、同社は同サービスに関するバックオフィス業務(契約関係書類の管理、各種帳票の発行等)、請求・入金管理業務(利用料金の請求データ処理、入金データ管理等)、コールセンター業務(問い合わせ対応、変更・解約等の受付等)と、事務処理全般を担当する。契約金額等の詳細は公表されていないが、他の事例に比較しても大型案件に分類されることは疑いない。足元は『郵便局のみまもりサービス』の契約件数がまだ小さいため、収益貢献はごく限定的とみられるが、高齢化社会の進行と一人暮らし世帯の増加により、潜在的需要は大きいと期待される。

また、2月19日には(株)小田急エージェンシーとの協業により、新宿駅西口のコンコースで同社のクラウド型デジタルサイネージ「StratosMedia(ストラタスメディア)」を利用した実証実験を開始したことを発表している。 今回の実験は、新宿駅西口の柱の1面に新たに実験用ディスプレイを設置し、新宿の位置情報と天候をもとに、広告表示内容を切り替えることによる広告効果測定と、今まで実現できなかったYouTube(TM)の再生機能を検証するものである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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