“巻き戻し”が入ってもおかしくない動き方…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/04/03 10:53

◆「不意な動意」に振り回され… - ドル円下値拡大

※ご注意:予想期間は4月4日と表示されていますが、本日(4月3日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


東京・欧州タイムと「開店休業(動意薄)」を続けたマーケットでしたが、NYタイムは懸念していた「不意な動意」に振り回されました。

アマゾンに起因する米ハイテク株の下落は、NYダウを一時2017年11月15日来の23,344ドル(758ドル安)まで押し下げました。
これに東京タイムでは特に材料視されなかった「中国が報復関税を実施」が絡み、さらには事前予想をわずかに下回ったISM製造業景況指数(59.3)まで持ち出された印象があります。
再び106円ラインを割り込んだドル円は、一時105.659円へと下値を拡大しています。
もっともNYダウが458ドル安まで下値を削ったこともあり、底からさらに下値を模索することはありませんでした。

◆ただ昨日の動きは…?

“株安の連鎖(NYダウ急落⇒日経平均急落)”が囃されるようなことがあれば、“もう一段の下値追い”は覚悟せざるを得ないところです。
しかし昨日は“流動性が戻っていない”中で起こった“株安⇒円高”ですので、これを持って“下落トレンド再開”と見るのはやはり時期尚早と考えます。
なぜなら思ったほど日経平均が急落しなければ(もしくは下値を削り出せば…)、“急速に巻き戻され”てもおかしくないからです。
そして新年度入りしたばかりというスケジュールを考えれば、“新発投信に絡んだドル買い”が持ち込まれても何ら不思議ではありません。

◆欧州勢が戻ってきてからが“本当の動意”…!?

21,000円台を日経平均が割り込むようなことがあれば、このシナリオは崩れるかもしれません。
しかし現時点においては「昨日の下落は往き過ぎ」を基本として、マーケットに対峙したいところです。
本日以降に休暇から戻ってくる欧州勢(一部のNY勢も…)の動向が、今後の方向性を占う上で注目なのですから…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:106.528(3/30高値)
上値4:106.453(4/2高値、3/28~4/2の61.8%戻し)
上値3:106.334(3/28~4/2の50%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値2:106.175(3/28~4/2の38.2%戻し、日足・一目均衡表基準線)
上値1:106.073(20日移動平均線、大台)
前営業日終値:105.911
下値1:105.821(日足・一目均衡表転換線)
下値2:105.659(4/2安値)
下値3:105.540(3/23~3/28の61.8%押し、ピボット1stサポート)
下値4:105.327(3/28安値)
下値5:105.214(ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:35 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想