今週の米ドル/円 ISM非製造業と雇用統計に注目!(12月04日)

著者:山口哲也
投稿:2017/12/04 10:22

【先週の動きと今週の主要な経済イベント】

先週月曜日、111.555で寄り付いた米ドル/円は、米第3四半期GDPの改定値が上方修正されたことや、米税制改革案の進展などを受けて一時112.88まで上昇。112.105で引けました。
注目されていた上院で28日に行われた次期FRB議長の指名承認公聴会でパウエル次期FRB議長は、利上げとバランスシート縮小と12月の利上げなどについて言及。イエレンFRB議長が行ってきたこれまでの金融政策スタンスを受け継ぐような内容となっており、マーケットに対し大きなインパクトとはなりませんでしたが、今後のFEDの方向性が確認できるものでした。

今週は、米国の税制改革案の動向に加え、経済指標については12月4日の米10月製造業受注、米10月耐久財受注、5日の米10月貿易収支、米11月ISM非製造業景況指数、8日の米雇用統計などを控えています。

【米ドル/円(くりっく365)週足チャート】

米ドル/円(くりっく365)週足チャート
米ドル/円(くりっく365)の週足チャートです。
各移動平均線はほぼ横ばいとなる中で価格はそれらの移動平均線を上回って今週のスタートとなりましたが、昨年12月の高値を基準としたやや緩やかな下降トレンドの中で、113円や114.50がレジスタンスとして意識されます。
今週も主要な米経済指標の発表を控え、これらの結果についても強気で見ており、米ドル/円は10月の高値からの下落に対する調整局面が続くと考えています。

【米ドル/円(くりっく365)日足チャート】

米ドル/円(くりっく365)日足チャート
米ドル/円(くりっく365)の日足チャートです。
日足の米ドル/円は200日移動平均線と一目均衡表の転換線の上側、一目均衡表の雲の上限と基準線の下側に位置しており、遅行スパンは日々線に上値を抑えられる形になっています。現在の米ドル/円は11月6日につけた114.75から11月27日につけた110.825に対する反発局面と考えており、スローストキャスティクスが上昇傾向になっていることやMACDもマイナス圏にあるものの上向きとなっていることから、週足での解説同様に今週もその傾向が続くと見ていますが、上値も限られるものと思われます。
レジスタンスは、基準線が位置する112.787、その上が緑色の楕円で示した一目雲の上限と遅行スパンに対する日々線と見ています。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想