思いのほか“深押し”したが、“リスク回避の加速”は疑問…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/11/10 11:31

◆“膠着”が想定された中、思った以上に“深押し”…

※ご注意:予想期間は11月11日と表示されていますが、本日(11月10日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“膠着”が想定されていた中、昨日は“大きく揺れ動き”ました。

まず日経平均が2万3000円ラインを突破、1992年1月7日以来の高値(23382.15円)へと駆け上がる中、ドル円は114円台を回復する動きを見せています。
ところが“利益確定売り+投機筋の仕掛け”にて2万2522円へと急落すると、ドル円は113.50円水準へと急反落に転じています。
その後も“世界的な株価調整”への警戒感が下値を拡大し、“米税制改革(法人減税先送り)”の懸念と重なったNYタイム中盤には113.10円水準へと売り込まれました。
もっとも米国3連休(本日はベテランズデーの振替休日)を控えた買い戻しが入り、NYタイム終盤には113.50円水準へと持ち直していきました。

◆ただ“113円割れは回避”“金利格差のアドバンテージ”も崩れず…

思っていた以上に“深押し”した格好ですが、それでも“113円割れは回避”されています。
米国市場休場(為替/債券は休み、株/商品は開いていますが…)は“流動性低下”を連想させますが、“日経平均乱高下⇒欧米株式下落”となっても“リスク回避に傾斜”しているわけではありません。
さらに“2.30%割れを前日に回避”した米10年債利回りは“2.34%で推移”しているなど、“金利格差のアドバンテージ”は崩れておりません。
「新たなポジション構築は手控えられやすい」とは見られますが、“さらなる利益確定売り”がNYダウに入ったとしても、「リスク回避が加速するかは疑問」と考えることは十分に可能です。

本日も日経平均が下落していますので、「思惑は下方向へ傾斜しやすい」といわざるを得ないところはあります。
それでも「大きく崩れるは期待薄」「あくまで利益確定売り」を鑑み、「113円台は丁寧に買い拾い」との見方を継続したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:114.334(11/7高値)
上値4:114.067(11/9高値、11/6~11/9の61.8%戻し、大台、ピボット1stレジスタンス)
上値3:113.898(11/6~11/9の50%戻し、11/9高値後の76.4%戻し)
上値2:113.721(11/6~11/9の38.2%戻し、11/9高値後の61.8%戻し)
上値1:113.582(11/9高値後の50%戻し)
前営業日終値:113.452
下値1:113.238(11/9安値後の61.8%押し、日足・一目均衡表基準線)
下値2:113.096(11/9安値、ピボット1stサポート)
下値3:112.960(10/31安値、大台)
下値4:112.827(10/16~11/6の61.8%押し)
下値5:112.504(10/20安値、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

12:08 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想