FRB議長だけでなく副議長人事にも注意

著者:菊川弘之
投稿:2017/11/02 15:59

アジア歴訪時のトランプ大統領ツィートも波乱要因

 10月31日-11月1日に行われた米FOMCは、事前予想通り金融政策の据え置き決定。声明にも大きな変更はなく、ノーサプライズであった。

 米・10月ADP民間雇用者数が予想よりも良い結果だったことからドル買いに反応する場面もあったが、ハト派と目されるパウエルFRB理事が次期議長に指名されるとの報道が相次ぎ、本日の東京市場のドル円は114円割れで推移。
 今年のドル円を見ると、下値は107円、上値は115.50円水準の逆張りレンジとなっており、2月・3月・5月・7月同様に、レンジ上限で抵抗を受けている状況だ。
 パウエル理事はFOMCでは反対票を投じた事がなく、イエレン議長に近い考え方と持つと見られており、テイラー氏が選ばれるよりも、追加利上げのペースは緩やかになるであろうとの観測が高まっているが、FRB議長人事だけではなく、副議長人事の行方にも注意したい。人事次第では、議長人事を受けての反応と反対の動きを取るケースもあるだろう。

 日本は3連休入りとなるが、米雇用統計に加えて、トランプ大統領のアジア歴訪も始まる。各国首脳との会談における発言や、ツィートでマーケットが荒れる可能性も予想される。北朝鮮問題に加えて、貿易問題に対する発言に注意したい。

 107-115.50円レンジの間は、逆張り対処。ブレイクした場合は、短期的に放れに追随が基本戦術。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想