米CPI上振れで「バランスシート縮小」「12月利上げ」の期待は膨らむ…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/09/14 12:04

◆上値を押さえられるも、NYタイム以降は“再び上値拡大”

※ご注意:予想期間は9月15日と表示されていますが、本日(9月14日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“110円に乗せた達成感”“1-4日に空いた窓埋め完了”が囃された昨日は、やはり上値の重い動きを強いられました。
何度となく大台(110円)を割り込む場面も見られましたが、NYタイム以降は“再び上値拡大”という展開でした。

「法人減税の年内引き下げ」に対する期待がさらに高まったことが、影響したと見られます。
また米消費者物価指数(CPI)に対する期待を残した「米卸売物価指数(予想を下回ったものの、前月からの伸びは加速)」も、ドル買いを後押しした感があります。
米10年債利回りは2.20%台へワンタッチ、NYダウも上値を拡大する中、ドル円は110.70円水準へと上値を伸ばしました。

◆米CPI上振れで「バランスシート縮小」「12月利上げ」の期待は膨らむ…!?

こうした状況下、本日はその米CPIが予定されます。
直近の英・欧のインフレ関連指標は“上振れ”が目立っていますので、米CPIも上振れるようなことがあると「今月はバランスシート縮小を正式発表」「12月利上げの可能性を示唆する」との期待が膨らむところです。
もちろん結果次第ですので“過度の期待は禁物”ですが、それでも事前予想はそれほど高いものではありません(総合:前月比+0.3%、コア:同+0.2%)。

前月(いずれも+0.1%)から“やや持ち直す”程度の期待であることを考えると、仮に下回ったとしても“失望の度合いは小さい”と見ることは十分可能です。
そうなると、「リスク回避姿勢が後退」する中、「明確に110円台を割り込まなければ…」という前提を“概ね、維持”した昨日の流れも健在…。

111円が窺える水準まで来たことで、本日も“ポジション調整”や“戻り売り”が目先は台頭しやすいと見られますが、「もう一段の上値追い(巻き戻し)は可能あり」と考えたいところです。
ただし「ついていくのではなく、押すのを待って拾いたい」ところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.148(100日移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:110.947(8/16高値、日足・一目均衡表先行スパン下限、20週移動平均線、週足・一目均衡表基準線)
上値3:110.801(ピボット1stレジスタンス)
上値2:110.690(9/13高値)
上値1:110.556(50日移動平均線)
前営業日終値:110.465
下値1:110.222(9/13安値後の61.8%押し)
下値2:110.000(大台、ピボット1stサポート)
下値3:109.907(9/13安値)
下値4:109.571(ピボット2ndサポート)
下値5:109.476(20日移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

12:23 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想