北朝鮮の核実験を受けて全面安だが、売買代金は伸びず閑散相場

著者:市原義明
投稿:2017/09/04 18:55

◆見切り売りよりも様子見が優勢か?

5日の日経平均は、北朝鮮の動向が警戒されて様子見の想定です。

週明け(4日)は、北朝鮮の核実験成功で地政学リスクが高まり、日経平均は4日ぶりの大幅反落で全面安の展開になりました。

ただし、東証1部の売買代金は1兆7千億円台の閑散商いでしたから、全面安でも薄商いだったのが特徴的でした。

先週は売買代金が8営業日ぶりに2兆円台を回復したり、日経平均が6月以来の3日続伸を達成して25日線を奪回したりと、調整一巡感につながる動きが見られたのですが、今日の反落で水を差された格好です。

今晩の米国市場がレイバーデイで休場なので、明日は東京市場の自力が試されるのだと思いますが、今日の東京市場が1兆7千億円台の閑散商いでは、上昇力に期待できる状態ではなさそうです。

ただし、閑散相場で売りのエネルギーも少なそうですから、日経平均はリバウンド優勢の小動きで横ばいの想定です。

一方、今日はこれまで北朝鮮リスクでも堅調だった小型株の大幅な下落が目立ちました。東証1部の騰落銘柄数は値下がりが1824銘柄で、値下がり銘柄数としては3月22日の1854銘柄に次ぐ多さでした。

8月は日経平均が軟調でも小型株が堅調だったので、値下がり銘柄数が少ない状況が続いていました。

このため、日経平均が3ヶ月ぶりの安値水準になっても、騰落レシオは100%をわずかに割れる程度までしか下がりませんでした。

騰落レシオを株式市場の山谷の目安にするならば、これから騰落レシオが100%を割れるような展開になってもおかしくはありません。

最近の相場展開だと、騰落レシオが小型株の動きを示す指標だと思いますから、日経平均だけではなく、騰落レシオも合わせて投資判断の手がかりにするとよいと思われます。




市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想