目先はレンジ相場でも、ブレイクしたら大きく発展する可能性…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/08/03 11:56

◆110円台で上下に揺れる

※ご注意:予想期間は8月4日と表示されていますが、本日(8月3日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


買戻し優勢となって終了した一昨日の流れを受け継いだ昨日のドル円は、東京-欧州タイムにかけてジワジワと取引水準を切り上げ110円台後半まで到達しました。
そして注目された週末の米雇用統計の前哨戦のひとつ、米7月ADP雇用統計は+17.8万人と事前予想(+19.0万人)を下回ったものの、数値そのものは良好といえる結果であり、また前月の数値が+15.8万人から+19.1万人に上方修正されたことが評価され、発表後は110.982円(Bid)までドル高/円安が進行する局面も見られました。

しかし111円台回復には至らず、その後は失速してドル売り/円買いが優勢の展開になりました。
これに「近い時期の追加行動を支持せず(ブラード・セントルイス連銀総裁)」といった米要人によるハト派的発言が追い打ちとなり、110.284円(Bid)までドル安/円高が進みました。
ただし再度の110円割れ挑戦とはならず、終盤にかけて110円台後半まで値を戻し一日の取引を終えています。

◆明日に米雇用統計を控え、目先はレンジ相場…?

110円割れ到達で目先の下値達成感はあるものの、米金利先高観測の後退やトランプ政権の先行き不透明感が嫌気され、ドル円の上値を重くしています。
明日が米雇用統計発表というスケジュール感も、積極的なポジショニングを難しくしており、目先は110円台を中心とするレンジ相場とみなしたほうが無難かもしれません。

◆ただ動意のキッカケになっても不思議ではないイベントが控え…

ただ本日は英国で3カ月に一度のスーパーサーズデー(政策決定発表、議事録および四半期インフレレポート公表、カーニーBOE総裁の記者会見)があり、米国では7月ISM非製造業景況指数の発表があるなど、動意のキッカケになっても不思議ではないイベントが控えています。
昨日は111円台回復・再度の110円割れのいずれも不発に終わりましたが、いずれかを達成したら、昨日が不発だっただけに大きな動意に発展する…?

そして昨日も記したように現在のマーケットは“利益確定の買い戻しが入りやすい”“継続的なドル売りは期待薄”と見ておりますので、ブレイクするなら上方向が優勢…!?

ただ、もちろんこのあたりは結果次第となるので「決め打ちは厳禁」として本日も臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.709(7/27高値、7/11~8/1の38.2%戻し)
上値4:111.541(50日移動平均線)
上値3:111.411(100日移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:111.328(7/28高値、7/26~8/1の61.8%戻し、日足・一目均衡表先行スパン下限、ピボットハイブレイクアウト)
上値1:111.000(大台、8/2高値、7/26~8/1の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:110.749
下値1:110.578(8/1~8/2の38.2%押し)
下値2:110.454(8/1~8/2の50%押し)
下値3:110.361(ピボット1stサポート)
下値4:110.284(8/2安値、8/1~8/2の61.8%押し)
下値5:110.000(大台、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

12:07 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想