“揉みあい”が基本も、抜けるとすれば“下ではなく上”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/07/25 11:19

◆ようやく一服 - 底堅い動きに転じる

※ご注意:予想期間は7月26日と表示されていますが、本日(7月25日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「反発した」というよりは、「ようやく一服した」というべきか…?

欧州タイムには“日足・一目均衡表先行スパン下限(昨日は110.754円)”を一時割り込む動きも見られましたが、「巻き戻しの急所」としての役割はしっかりと果たした格好といえます。
米10年債利回りが上昇したこともあり、ドル円もようやく底堅い動きに転じました。
なお予想を下回った米中古住宅販売件数(552万件)は大きな反応を見せず、クシュナー米上級顧問の公聴会発言も材料視されることはありませんでした。

◆ただ、現時点ではあくまでも“ポジション調整(ドル売り一服)”

やはり重要イベント(FOMC:25-26日/米GDP速報値:28日)を控えて、“突っ込んだ動き”は抑制されました。
昨日は“ポジション調整主体”となり、一時は111.30円水準まで値を戻す動きも見られています。
もっとも戻った水準では“すぐさまドル売り”を被せられているように、現時点ではあくまでも“巻き戻し”ではなく、“ポジション調整(ドル売り一服)”と見るのが自然といえそうです。

◆それでも“リスク回避の円買い”が台頭しているわけではない…?

それでも昨日も記したように、“ドル売り”こそ強まっているものの、“リスク回避の円買い”が台頭しているわけではありません。
そしてトランプ・ジュニア(トランプ大統領の長男)の公聴会延期等、徐々にですが巻き戻される要因が目立ち始めています。

テクニカル的に見ると、懸念された“日足・一目均衡表先行スパンの雲”を割り込む動きが昨日は一時見られたものの、現在は逆に“上限(本日は111.249円)”を窺っている素振りが見られます。
また上抜けたわけではありませんので“楽観は禁物”ですが、それでも昨日のように“下限(本日は110.780円)”は「巻き戻しの急所」としてしっかりと機能する可能性が高まっています。
「“突っ込み売り”ではなく“戻り売り”」に売り方も徹すると見られるだけに、大きく下落する可能性は低いように思います。

イベント前でもありますので“111円を挟んだ上下30~50銭の揺れ動き(揉みあい)”と見ますが、抜けるとすれば“下ではなく上”と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.963(200日移動平均線、大台)
上値4:111.728(7/20~7/24の61.8%戻し、100/50日移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:111.516(7/20~7/24の50%戻し)
上値2:111.413(ピボット1stレジスタンス)
上値1:111.314(7/24高値、日足・一目均衡表先行スパン上限、7/20~7/24の38.2%戻し水準)
前営業日終値:111.114
下値1:111.000(大台)
下値2:110.780(日足・一目均衡表先行スパン下限、ピボット1stサポート)
下値3:110.618(7/24安値)
下値4:110.250(50週移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値5:110.000(大台、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:30 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想