雇用統計の結果が安心感につながり、2万台回復のスタートか?

著者:市原義明
投稿:2017/07/08 14:43

◆日足チャートが買い転換するまでは上値が重くなりそう

週明け10日の日経平均は、米国株高と円安を好感して反発スタートの想定です。

週末(7日)の米国株式市場は、好調な雇用統計を受けてNYダウ、ナスダック指数ともに反発しました。

注目された6月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が+22.2万人となり、事前予想の18万人程度を大きく上回りました。

ただし、NYダウ、ナスダック指数ともに前日が大幅な下落になっており、ナスダック指数が前日の下げ幅とほぼ同じ分の上昇、NYダウは前日の下げ幅158ドルを取り戻すまでにはいたりませんでしたから、買戻しの範囲といえるかもしれません。

一方、好調な雇用統計を受けてドルが全面高となり、1ドル=114円台に乗せる場面もありました。円安基調が続いているので、輸出企業の下支え要因になりそうです。

週末の海外市場を織り込んだシカゴ日経先物は+70円の20020円で反発しているので、週明けは円安と海外株高で大台回復して始まりそうです。

ただし、日経平均は先週末の続落で5日線と25日線がデッドクロスし、5日線と25日線が上値を抑えやすい状態になっています。

円安、海外株高のサポートでいったんは買戻しが優勢になると思われますが、チャート形状からまだ上値が重いと感じます。

また、7月20日の安川電機を皮切りに3月決算企業の第1四半期決算発表シーズンが始まる日程を考えますと、来週は機関投資家などの大きな資金を動かす投資家は決算発表待ちで積極的に動けなさそうです。

これらの状況から、日経平均の上値は重いけれども円安を支えに下値も限定的、主力株はまちまちとなるが、個人投資家を中心にした短期売買は心理面の影響が大きいので、先週末の円安や海外株高が安心感につながって動きやすくなりそうです。

市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想