日経平均は4日ぶりの反落も、マザーズ指数は2%を超える逆行高を演じた

著者:市原義明
投稿:2017/06/21 18:37

◆今週に入ってからマザーズ指数の大幅上昇が目立っている

22日(木)の日経平均は、手がかり不足で小幅続落の想定です。

21日の日経平均は、米国株安や円安一服が重石になって4日ぶりの反落になりました。

米国市場では、供給過剰懸念が続いて原油先物価格が1バレル=43ドル台まで下落し、昨年9月以来の安値水準になりました。

原油安はメリットもありますが、過去には原油価格の急落が逆オイルショックとなって株式市場の下落要因になったこともありましたから、日経平均の下げは限定的だったと思われます。

明日も為替や海外市場の結果次第になりそうですが、序盤の欧州市場が軟調なことや、ドル円が1ドル=111円台割れ目前なので、手がかり不足になりそうです。

また、日経平均は前日に年初来高値を更新したものの、ローソク足は前日の上ヒゲから反落の陰線ですから上昇一服を示していると考えられます。

これらの状況から、明日は上値が重い状況が続くものの、右肩上がりの5日線が下値目処となって小幅続落の想定です。

一方、今日はマザーズ指数が2%を超える大幅上昇で逆行高を演じました。日経平均が上昇一服となると、小型株に短期資金が向かう物色意欲の強さを表していると思われます。

ただし、今年に入ってからマザーズ指数が2%を超える大幅上昇はほとんどなく、今週から急に上昇ピッチが早くなっているので過熱感もうかがえます。

下げの最終局面である「セリング・クライマックス」が有名ですが、じりじりと上がってから最後に急騰して天井をつけてしまう現象を「バイイング・クライマックス」と呼びます。

「セリング・クライマックス」は総弱気の現象ですが、「バイイング・クライマックス」は総強気で起きる現象です。

高値圏で急騰するのは物色意欲が強い裏返しでもありますが、高値つかみで失敗するのも強気相場のときによくあることなので、リスクの取りすぎには注意したい場面かもしれません。

市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想