<話題の焦点>=高速道路の逆走事故ゼロへ、国交省が対策技術を選定

配信元:みんかぶ
著者:MINKABU PRESS
投稿:2017/03/28 12:00
 国土交通省は3月23日に、高速道路での逆走対策技術28件を選定し発表した。今後、高速道路会社と技術提案した民間企業などとの調整を経て、2017年度から1年程度かけて実道での検証などを行い、18年度から実用化する方針だ。

 国交省は「20年までに高速道路での逆走事故をゼロにする」という目標を掲げ、15年12月に有識者委員会を設置。この取り組みの一環として、NEXCO東日本および中日本、西日本が16年11月から17年2月にかけて民間企業などから逆走対策の技術を募集していた。

 高速道路での逆走は2日に1回以上の割合で発生しており、件数は確認できたものだけで14年は212件、15年は259件、16年は249件におよび、その約6割はインターチェンジ(IC)やジャンクション(JCT)で起こっている。背景にはICやJCTが複雑化して分かりにくくなっていることがあり、誤って一般道から高速道路の出口に進入したり、目的のICを通り過ごしてUターンするケース、サービスエリアやパーキングエリアの入口から出てしまう事例が多い。逆走事故は、死傷事故となる割合が高速道路での事故全体に比べ約5倍、死亡事故では約40倍と高く、早急な対策強化が求められている。

 今回、選定された技術は3つのテーマに分けられ、そのひとつは「道路側での物理的・視覚対策、道路側での逆走車両への注意喚起」に関する技術。選ばれたのは、大成建設<1801.T>子会社である大成ロテックのウェッジハンプ(段差)、積水樹脂<4212.T>の錯視効果を応用した路面標示、FCホールディングス<6542.T>グループの福山コンサルタントとアスカネット<2438.T>が共同提案した空中浮遊映像表示による逆走警告、シーキューブ<1936.NG>のエアバルーンによる逆走警告、三菱電機<6503.T>のオーロラビジョンなど。

 「道路側で逆走を発見し、その情報を収集」する技術では、古河電気工業<5801.T>の準ミリ波レーダーによる検知、セフテック<7464.T>のマイクロ波センサーによる検知、デンソー<6902.T>のレーザーセンサーによる検知、日本信号<6741.T>の高解像度カメラの画像処理技術による検知などが選ばれた。

 また、「自動車側で逆走を発見し、その情報を収集。逆走車両ドライバーへの注意喚起」に関する技術では、OKI<6703.T>のETC2.0車載器による蓄積型逆走情報提供、カーメイト<7297.T>のBluetoothビーコン発信電波による逆走警告、パナソニック<6752.T>傘下のパナソニックシステムネットワークスのETC2.0車載器による逆走警告などの検証が行われる。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)
配信元: みんかぶ

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