“上値の重さ”先行しやすいも“押し目買い”継続…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/02/23 11:12

◆依然として“明確な方向性”は定まらず…

※ご注意:予想期間は2月24日と表示されていますが、本日(2月23日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


あぁ…。ユーロ売りが広がる中、昨日のドル円は荒い動きを見せました。

118円後半に急落したユーロ円につれて113円ラインを割り込んだものの、“ユーロ買い戻し”+“「3月FOMCで利上げ検討」とのパウエルFRB理事発言”で113.60円水準へと切り返しました。
しかし“前向きな姿勢”が目立たなかったFOMC議事録で再び突き落とされ、さらに“「強いドルは米経済への信頼を反映」とのムニューチン財務長官発言”ですぐに113円台へ押し戻されるといった具合です。
全般的に“上値の重さ”が目立ちましたが、依然として“明確な方向性”が定まっていないことが窺える動きだったといえます。

◆目先、米利上げ回数を囃すフローは後退…?

FOMC議事録では「かなり早期の利上げが適切」とされており、FOMCは“12月段階で示した年3回利上げを堅持”しているとみられます。
一方で「大幅なインフレリスクは低い」ともされており、決して急いでいる訳ではなさそうです。
そうなると“年2回 or 年4回利上げ”を現時点で囃すのは時期尚早ということになり、目先はこれらを囃すフローは後退すると考えるのが自然です。

◆もうしばらく“膠着しそう”な雰囲気…!?

一方「ドル高が下振れリスクに関連」は“短期のドル上げ過ぎ”を警戒させるものですが、“長期的なドル高”を期待するムニューチン発言がこれを打ち消しています。
一方向に傾斜するとは想定しづらく、もうしばらく膠着しそうな雰囲気が漂いつつあります。

それでも「驚くべき税制案」への思惑は生きており、NYダウは9連続で史上最高値更新を見せるなど、現時点ではリスク回避姿勢一辺倒に傾斜する気配もみられておりません。
仕切り直しの一戦であり、慎重姿勢が目立った議事録から“上値の重さ”が先行しそうな雰囲気はありますが、引き続き“押したところは買い拾い”とみたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:114.301(2/16高値、100週移動平均線)
上値4:114.141(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:114.000(大台、2/15~2/17の61.8%戻し)
上値2:113.774(2/21-22高値、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stレジスタンス)
上値1:113.627(2/22NYタイム高値)
前営業日終値:113.312
下値1:113.000(大台)
下値2:112.900(2/22安値、ピボット1stサポート)
下値3:112.794(2/20安値)
下値4:112.616(2/17安値)
下値5:112.485(ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:34 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想