思惑交錯 - レンジ内想定も“激しく揺れ動く”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/02/08 11:15

◆リスク回避姿勢後退 - ドル買い戻し優勢

※ご注意:予想期間は2月9日と表示されていますが、本日(2月8日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


リスク回避姿勢は“残存”したものの、期待した通り“後退”してくれました。
また“米3月利上げの可能性”に言及する米要人発言が相次いでいることも、“ドル買い戻し”を促したと見られます。
2.36%台に低下した米10年国債利回りにつれて111.80円へと押し戻される場面も見られましたが、実にあっさりと“111.986円(11/9~12/15の38.2%押し、大台)”を回復していきました。

◆ただ“上値の重さ”には引き続き警戒が必要…?

何とか反発した(…というより下げ渋った)格好ですが、昨日の米貿易収支では「通年の“モノの赤字”は、対独を抜いて対日が2位」とされました。
「12月分が減少(-443億ドル)」したことで特に材料視はされなかったものの、日米首脳会談(10日)に向けて“(ドル高けん制への)思惑は燻る”と考えるのが自然です。
実際に“昨日高値(112.578円)”付近には分厚いドル売りオーダーも散見されていますので、引き続き“上値が重い”を警戒せざるを得ないところです。

◆それでも“米金利先高観”は復活しつつある…!?

一方で“米金利先高観”も復活しつつあり、ドル買いニーズも旺盛です。
“昨日安値(111.586円)”の手前には分厚いドル買いオーダーが膨らんでいるため、大きく下落する展開も想定しづらいところです。

“積極的なドル買い”は期待しづらいが、“ドルを売り崩す”も期待薄…?
日米の金利/株式動向を睨みながらの展開が想定されますが、前記した“111.586円/112.578円”のいずれかを明確にブレイクするには、かなり大きな後押し材料が必要と考えたいところです。
もっとも思惑が交錯していますので、当該レンジ内では激しく揺れ動く展開が想定されますが…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:113.409(2/2-3高値)
上値4:113.173(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:113.030(1/27~2/7の38.2%戻し、大台)
上値2:112.769(2/6高値、2/3~2/6の61.8%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値1:112.578(2/7高値)
前営業日終値:112.380
下値1:111.088(2/7NYタイム安値後の61.8%押し)
下値2:111.982(2/7NYタイム安値後の76.4%押し、大台)
下値3:111.810(2/7NYタイム安値、ピボット1stサポート)
下値4:111.586(2/6-7安値)
下値5:111.351(11/28安値、週足・一目均衡表先行スパン上限)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:29 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想