売り崩すのはそう簡単ではない…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/02/06 10:47

◆“米3月利上げの可能性”巡り、神経質な揺れ動き

※ご注意:予想期間は2月7日と表示されていますが、本日(2月6日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


いわゆる“日銀プレイ”で乱高下する場面も見られましたが、先週末の注目はやはり“米雇用統計”です。

その米雇用統計、非農業部門雇用者数は4ヶ月来の高い伸び(+22.7万人)を見せたものの、賃金の伸びが鈍化(+0.1%、前年比+2.5%)しました。
“米3月利上げ期待は後退”する格好となり、発表直後には113.40円へと上昇したものの、すぐさま112.30円水準へと突き落とされています。

もっともウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁が“米3月利上げの可能性”に言及したこともあり、112円割れを窺うには至っておりません。
NYタイム終盤には再び113円台に押し戻される場面も見られるなど、依然として方向感は定まっておりません。

◆“上値の重さ”が意識されやすいのは事実だか…?

下方向のポイントは“11/9~12/15の38.2%押し(111.986円)割れ”と見られますが、その手前には“まとまった規模のドル買いオーダー”が散見されています。
一方で“米3月利上げ期待が後退”したのは事実であり、“短期的なダブルボトムのネックライン(2/1高値:113.948円)越え”を目指すには力不足と見られます。

“トランプ発言への警戒”もあり“上値の重さ”が意識されやすいのは事実ですが、両サイドを挟まれては「動くに動けない…?」。
さらに日米首脳会談を週末(10日)に控えて、「積極的なポジション形成も困難…?」。

“112円割れ”はストップロスを絡める可能性があるため、引き続き警戒が必要ですが、「売り崩すのはそう簡単ではない」と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:113.714(日足・一目均衡表転換線)
上値4:113.409(2/2-3高値)
上値3:113.244(ピボット1stレジスタンス)
上値2:113.071(2/3高値後の戻り高値、大台)
上値1:112.749(2/3戻り高値後の61.8%戻し)
前営業日終値:112.609
下値1:112.305(2/3安値)
下値2:112.140(ピボット1stサポート)
下値3:112.061(2/2安値、1/31安値)
下値4:111.986(11/9~12/15の38.2%押し、大台)
下値5:111.628(11/29安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:02 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想