トランプ相場がスタート!ドル円はどこまで上昇する?

著者:川島寛貴
投稿:2016/11/14 12:25

まずは110円をターゲットに!

金曜日になかなか高値を更新できなかったドル円は、仲値にかけて107円のオプションバリアを粉砕し上昇。
107.50円付近には輸出企業の売りが厚いということで揉みあっていますが、まだまだ上昇トレンドは継続しそうです。

少なくとも、目先は安倍首相とトランプ次期大統領の会談がある17日までは上値を伸ばす余地がありそうです。

値動きを見てみると、高値からの調整はまだ1円程度。
既に107円割れは近くて遠くなった印象ですが、ここで小休止した後に今夜中に108円をトライする動きを見せるのではないかとイメージしております。

ドル高要因の経済政策

ここで、トランプ氏の経済政策を見ていきましょう。

総額5000億ドルともいわれる公共インフラ投資
法人税率35% ⇒ 15% 所得税率の簡素化などの大幅減税。

これらは米国企業の利益に繋がり、米国株の押し上げ効果が期待できます。
特にオバマ氏の金融規制(ドッド・フランク法)を緩和するということで、金融株が爆騰しています。
また、多国籍企業が本国送還(リパトリエーション)をする際の税率も15%から10%へと引き下げは、強烈な実需のドル買い材料となりそうです。
似たような例を探すと、最近ではリスクオフの際にもユーロドルが上昇することや、2005年に米国本国投資法が施行された際には1年でドル円が円ほど上昇しています。

現在のマネーの流れは以下を想定。

経済政策に期待>リスクオン>米株買い・新興国売り・債券売り>債券利回り上昇・金売り>ドル買い・日本株買い

水・木曜日はリスクオンで新興国も買われており、豪ドル円の上昇が強烈でしたが、トルコ・南アフリカランドをはじめとする新興国売りが起きているため、単純にドル買いをドルストレート通貨で行うのが良いと思います。

現時点でのドル円のターゲットは110円。

これは今年の高値の半値戻し。
トランプ氏が円安を好んでいないのは明確であることから、ここから上は大統領就任前でも心理的に一度閉じておきたいところです。

目先は11月17日の会合に向けて、トランプ氏が何か話すまでにやれるだけ上をやっておこうという雰囲気を感じます。

水曜日からドル円は上昇>上昇>横ばい、と連騰ならず小休止し、本日は高値更新と適度な調整を行っています。

トランプ氏が円安批判発言さえしなければ、アベノミクス相場と同レベルの大相場の可能性も感じているのですが、果たしてどこまで上昇できるのでしょうか。

トランプ氏の一挙一動に目が離せません。
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想