材料不足で売り買いともに手控え、VR関連が賑わう可能性も
明日の東京株式市場見通し
13日の東京株式市場は、手掛かり材料に乏しい地合いのなかで、売り買いともに手控え姿勢が強まりそうだ。あす発売される仮想現実(VR)が楽しめる「プレイステーションVR」が話題となれば、ソニー
<6758>をはじめとする関連銘柄が再び賑わう可能性はあるものの、全体相場に与える影響は限定的となりそうだ。
市場関係者からは「米景気の先行き好調を背景とした“米金利年内引き上げ観測”をより所とした円安・ドル高の進行を支えに、
日経平均株価は1万7000円台を約1カ月ぶりに回復した。ただ、戻り待ちの売りが出やすい価格帯に差し掛かったこともあり、ここから上を買い進むにはインパクトのある材料が必要となりそうだ」との見方が出ている。
12日の東京株式市場は、前日の米株式市場の急反落などを嫌気して利益確定売り圧力が強まり、下落を余儀なくされた。
日経平均株価終値は、前日比184円76銭安の1万6840円00銭と反落した。
12日の動意株
コムチュア<3844>=反発。
株価は7月4日につけた年初来高値3875円のクリアを意識する局面にある。情報システム構築分野を主力に、グループウエア開発では業界トップの実績。IoT(モノのインターネット化)市場が加速するなか、ビッグデータや人工知能(AI)を活用したマーケティング支援サービスに積極的で、時流に乗る銘柄として注目が高まっている。13年3月期から連続して増収増益を続けている。19年3月期に営業利益20億2000万円(今期予想比35%増)を掲げており、成長期待はなお強い。
三機サービス<6044>=4連騰。
5月11日に付けた年初来高値692円を約5カ月ぶりに更新している。11日の取引終了後に発表した第1四半期(6~8月)連結決算が、売上高18億6800万円(前年同期比28.2%増)、営業利益2500万円(同54.7%増)、純利益1600万円(同79.5%増)と大幅増益となったことが好感されている。 省エネルギー化需要の高まりやフロン改正法の影響で、空調機器メンテナンス事業の更新工事が増加したことが売上高を牽引。また、トータルメンテナンス事業で大手小売業の店舗メンテナンスを受注したことなども寄与した。
リンガーハット<8200>=続伸。
株価は9月中旬を境に急激な戻り足をみせており、9月19日からきょうまでの直近16営業日で下落したのはわずか2日間だけという強調ぶり。苦戦が目立つ外食産業にあって業績面での健闘が評価材料となっている。11日取引終了後に発表した17年2月期第2四半期累計(3~8月)の連結決算は、売上高が213億6100万円(前年同期比5.8%増)、営業利益は13億5600万円(同6.7%増)、最終利益は8億9400万円(同35.2%増)と好調、これが買い人気を助長している。
日本金属<5491>=一時ストップ高。
前日、
ホンダ<7267>が世界で初めてマグネシウムを使い、繰り返し充電できる2次電池の実用化にメドを付けたと伝えられ、関連株の物色人気につながった。同社は世界に先駆け、高強度で温間成形性に優れたマグネシウム合金圧延材の製造を開始するなど、同分野の草分け的存在。次世代2次電池市場はリチウムイオン電池がその代名詞となっている現状で、仮に近い将来、マグネシウム電池に商業化のメドが立った場合、市場開拓余地は大きく、同社のビジネスチャンスにつながるとの思惑が買いを誘導している。
エヌ・ピー・シー<6255>=ストップ高。
同社は11日取引終了後に、17年8月期通期の連結業績予想を公表。営業利益見通しは5億2400万円(前期比4.5倍)としており、前期の1億1600万円(前の期比77.6%減)からV字回復することが好感されているようだ。売上高予想は66億800万円(同65.3%増)。装置関連事業では安定的な太陽電池製造装置の受注・売り上げを見込んでいるほか、環境関連事業では再生可能エネルギー固定価格買取制度の改定を前にパネル検査サービスの需要が上向くとみている。
共同印刷<7914>=反発し年初来高値を更新。
同社は11日の取引終了後、17年3月期の第2四半期累計(4~9月)連結業績予想の修正を発表。売上高を465億円から455億円(前年同期比4.5%増)へ、営業損益を7億円の黒字から12億円の黒字(前年同期100万円の赤字)へ、純利益を4億円から11億円(前年同期比2.4倍)へ修正、利益の上方修正を好感した。出版印刷や一般商業印刷が当初の見込みを下回った一方で、データプリントなどが好調に推移している。
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